スライド式のQWERTYキーボードを備えつつ、普通の携帯電話としての使い勝手にも配慮したWindows Mobile端末が、ソフトバンクモバイルのHTC製スマートフォン「X03HT」だ。一見「X01HT」の後継端末にも見えるが、そのコンセプトは異なっている。
ソフトバンクモバイル向けのHTC製端末としては3製品目となるX03HT。X01HTよりもひと回り小さく、薄くなった。ケータイとしてより便利に使えるよう、ディスプレイ面にもダイヤルキーを備えるなど、これまでのHTC製スマートフォンとはコンセプトが異なっている。X01HTではケータイとしての操作性が不便、「X02HT」のキーボードはちょっと苦手、といったユーザー層に対応できる。
ディスプレイ側のキーはダイヤルキーの左右に発話/終話キー、十字キーの左右には2つのソフトキーとホーム、戻る(クリア)キーが並ぶ。一般的な音声端末とはレイアウトが異なるが、文字入力に関しては携帯電話のものにほぼ準じており、利用頻度の高い記号や濁点の入力もケータイライク、逆トグルもちゃんと備える。日本語入力してみたが、違和感は感じなかった。
QWERTYキーボードは12列×3段とレイアウトはかなり変則で、X01HTとも異なるレイアウト。X01HTから2列増えたが、キー全体の横幅は広く確保し、キートップ部には段差を設けて隣接するキー間に隙間を確保している。独立した2つのソフトキーも健在だ。
サポートする通信方式はHSDPA(3.6Mbps)とW-CDMA、GSM(850/900/1800/1900MHz)。搭載するCPUは、UMTS/HSDPA/HSUPAおよびEDGE/GPRS/GSM対応の携帯端末向けチップセットのQualcomm MSM7200。チップセットレベルでは下り最大7.2Mbps、上り最大5.76Mbpsの通信速度に対応している。モデムプロセッサとしてARM9、アプリケーションプロセッサとしてARM11を搭載したデュアルコアだ。メモリはプログラム実行用に128Mバイト、プログラム、データ格納用のフラッシュメモリを256Mバイト備えている。
そのほか、Bluetooth V2.0に対応しており(EDR対応は不明)、音声関係に加えてデータ送受信、HID(Human Interface Device)プロファイルにも対応。X02HT同様にBluetoothキーボードも使えそうだ。
BluetoothのAVRCPプロファイルについても確認したかったのだが、手持ちのBluetoothヘッドフォンを検出できずペアリングできなかった。ソフトバンクモバイルにはBluetooth端末が多いため、製品発表会場には多くのBluetooth対応製品が並ぶ。そのせいで検出できなかったのだろう。
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