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ウィルコム、「W-OAM typeG」の通信速度を最大800kbpsに高速化
ウィルコムは、基地局回線をIP化することでボトルネックを解消し、これまで512kbpsだった「W-OAM typeG」の最大通信速度を800kbpsに高速化した。
ウィルコムは、一部エリアでPHS高度化通信規格「W-OAM typeG」の最大通信速度を従来の512kbpsから800kbpsに高速化した。
2月19日現在、最大800kbpsのパケット通信が行えるのは、東京都港区の一部と山形県新庄市本合海地区の2エリア。なお、W-OAM typeGの利用には、ネットインデックス製のデータ通信カード「AX530IN」が必要となる。
W-OAM typeGは、ウィルコムの高度化PHS「W-OAM」を拡張した通信規格。通信回線を束ねるMulti RF化によって8xパケット通信方式をサポートするほか、変調方式もW-OAMで採用した8PSK、QPSK、BPSKに加え、より高速な通信を可能とするの64QAM、32QAM、16QAMを採用した。
W-OAM typeGは2007年4月にサービスを開始したが(2007年3月の記事参照)、基地局間ネットワークに使用するISDN網がボトルネックとなり、最大通信速度が512kbpsにとどまっていた。今回、基地局からITX(NTT地域網をバイパスする装置)までのIP化が実現したことで、最大800kbpsへの高速化が可能となった。ウィルコムは今後も、全国基地局のW-OAM対応化とバックボーンのIP化を進める方針だ。
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