Flashは動く?――「Windows Phone 8.1」のブラウザをチェックする:リンゴに飽きたらWindows Phoneを食べればいいじゃない(4)
さまざまな生活シーンで、「Windows Phone 8.1」がどのくらい実用的かを試してみる本連載。今回はブラウザの使い勝手を見てみよう。
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ブラウザが動けば戦える……か?
前回は、「LINE」や「Twitter」「Facebook」といったアプリの使い勝手をチェックしたが、iOSやAndroidのアプリと比べると、まだまだ改善が必要という印象を受けた。しかし、アプリが少々心もとない状態であってもブラウザさえまともに動いてくれればなんとかなるものだ。
そのような考えに至るには理由がある。以前、モバイル向けのARMプロセッサで動作する「Windows RT」に触れたときに、通常のデスクトップアプリケーションが動作しないという制約がありながらも、Webブラウザさえ使えれば多くの用途を一通りこなせることに気づいたからだ。
というわけで今回も、マウスコンピューターの「MADOSMA」でWindows Phone 8.1のブラウザをチェックしてみよう。
Internet Explorer 11を搭載
Windows Phone 8.1は「Internet Explorer 11」(以下IE11)のモバイル版を搭載している。IE11といっても、モバイルに最適化されているもので、画面下にURLバーやタブの切り替え、リーディングモードといったボタンを配置している。画面サイズの大きなデバイスでも片手で操作しやすいのが特徴だ。
IE11に表示されるURLバーか、デバイス本体にある検索キーを押して検索したいワードを入力すると、Webサイトだけでなく、周辺地域の情報や画像、動画、デバイス内のファイルを横断して検索することができる。
デスクトップ用であるITmediaのWebページを開いてみたところ、ピンチイン/アウトの動きはスムーズで、ブラウジングのしやすさは良好だ。ブラウザの設定からモバイル用サイトとデスクトップ用サイトの表示を切り替えることもできる。
URLバーの横に表示される本のマークをタップすると、「リーディングモード」に切り替わる。Webページを画像とテキストで再構築して読みやすく表示してくれるので、Webサイトのコンテンツを集中して読みたいときに便利だ。
メニューからは、お気に入りへの追加やページ内検索、ページを共有、ページをスタート画面に追加といった、ブラウザとしての基本機能を網羅する。ページを共有で見ているWebサイトをSNSにシェアすることも容易だ。
また、Microsoftアカウントでログインしている他のデバイスと開いているタブの同期も可能。自宅のWindowsマシンで見ていたWebページの続きをスマートフォンで見る、というおなじみの機能もWindows Phone 8.1で可能となっている。
Twitter、Facebookのブラウザ版を試す
前回、あまり使い勝手がよくないと感じたアプリ版のTwitterとFacebookだが、IE11で両者のモバイル向けサイトを開いてみると、これが意外と使いやすかったりする。
スクロールもスムーズで、Facebookのアプリで対応していなかった「コメントに返信する」といった新しい機能もしっかり利用可能。プッシュ通知はアプリに任せ、閲覧はブラウザで――というのもアリかもしれない。
Flashは動く?
フルのWindows 8.1が動作するWindowsタブレットは、Flashがそのまま動作することから、話題のブラウザゲームなどをプレイすることができると一部で人気となった。「もしや、IE11が動くWindows Phone 8.1も……」と期待してしまうところだが、あくまでIE11のモバイル版ということで、残念ながらFlashは動作しない。
Windows Phone 8.1のブラウザはIE11一択か
現状、Windows Phone 8.1では「Google Chrome」や「Firefox」といった有名どころのブラウザアプリがリリースされていないため、選択肢は実質IE11だけとなる。唯一、フェンリルの「Sleipnir」がWindows Phone版アプリをリリースしているが、MADOSMAにインストールしたところ、画面上部に黒帯が出てしまい表示領域が狭くなるため今回は紹介していない。
IE11が唯一の選択肢ながらも、Microsoftアカウントとの連携といった機能面や使い勝手を見てもなかなか良くできており、十分便利に活用することができるはずだ。
今年中にリリースが予定されている次期バージョンの「Windows 10 Mobile」では、Windows 10の新しい標準Webブラウザ「Microsoft Edge」が搭載される。使い勝手がどのように進化するか期待したいところだ。
次回は、カメラのユーザーインタフェースをチェックする。
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