iPhoneのiPod機能を凌駕するメディアプレーヤーが、NTTドコモから登場予定の東芝製スマートフォン「T-01A」に搭載されている。T-01AのOSはWindows Mobile 6.1。信じられないかもしれないが、それは事実だ。それが実現した理由は、アプリ「Kinoma Play」を作り上げた人物にある。
「iPhoneファンの人たちには申し訳ないけど、NTTドコモのネットワークと東芝の驚くべきT-01A、そしてわれわれのKinoma Playの組み合わせは、電話がどれだけクールでありえるか、そのバーを引き上げた」と挑戦的なコメントをしているのは、古くからのMacユーザーにはおなじみ、かつてのQuickTimeアーキテクトであるピーター・ハディー氏だ。彼は現在、Kinomaという企業のCEOとして、さまざまなモバイルプラットフォーム向けにメディアプレーヤーのアプリケーションを開発している。
T-01Aに搭載されるのはドコモ向けの特別バージョンである「Kinoma Play for NTT DOCOMO」。Kinoma Playがすでに持っているYouTube、Flickr、Picasa、SHOUTcast、Live365の視聴機能に加えて、オンデマンドのダウンロード機能、ホームスクリーンのカスタマイズ、ニュースリーダー、ポッドキャッチャー機能が利用可能になっている。
QuickTime黎明期から動画に携わっているハディー氏は、H.264再生や各種のQuickTime、Windows Mediaをはじめとするさまざなコーデックをネイティブで再生する技術を持っており、Kinoma Playにはそのテクニックが使われている。
ハディー氏とは、2008年にKinoma Playの日本市場向けに売り込みに来たときに、こんなやり取りをした。
ITmedia タッチインタフェースの部分はWindows Mobileでは持ってないですよね。(HTC)のTouchFLOなどを使ったのですか?
ハディー氏 いや、自分たちの実装によるものです。
ITmedia Windows Mobile上で作るのは難しかったのではありませんか?
ハディー氏 誤解されがちですが、Windows MobileはいいOSです。コア部分であるWindows CEは非常に堅固です。ただ、その上の部分はすべて自分たちで構築しました。Mac OSではQuickTimeレイヤーに相当する部分からユーザーインタフェースの部分までをレイヤー化してあります。
ITmedia そのレイヤーに名前はありますか? また、これを使ったアプリはほかにもありますか?
ハディー氏 Layer with No Nameとでもいうのかな(笑)。アプリはいまのところKinoma Playだけです。
おそらくそのときの成果が、今回のT-01Aへの搭載に結実しているものと思われる。
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