ラテン系有権者は共和党より民主党への肯定的見方が強い、米シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年10月04日

米国のラテン系登録有権者は、共和党より民主党への肯定的見方が強く、中間選挙の連邦下院議会選挙では民主党候補への投票を予定する人が共和党候補を上回ることがシンクタンク調査からわかった。

シンクタンクのピュー・リサーチ・センターは929日、米国のラテン系による各政党の見方や中間選挙の投票行動などに関する調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

それによると、ラテン系住民は民主党に対して、71%が「ラテン系住民の投票のために懸命に働いている」、63%が「自分たちのことを気にかけている」と回答した。共和党については、45%が「ラテン系住民の投票のために懸命に働いている」、34%が「自分たちのことを気にかけている」とした。

また、ラテン系登録有権者の間で中間選挙で重視する問題としては、「経済」(80%)、「ヘルスケア」(71%)、「教育」(70%)、「暴力犯罪」(70%)、「銃政策」(66%)、「投票権」(59%)、「中絶」(57%)、「エネルギー政策」(56%)、「移民」(54%)などが上位に挙がった。特に「中絶」は3月の調査時の42%から今回57%と重要度が高まっていることがわかった。

中間選挙の連邦下院議員選で、民主党と共和党のどの候補者に投票するかという問いに対しては、「民主党候補」の53%に対し、「共和党候補」は28%となっている。年代別では全ての年代で「民主党候補」が「共和党候補」を上回った。宗教別ではラテン系福音派だけが「共和党候補」に投票するが50%と、「民主党候補」(32%)を上回った。

出身国別では、キューバ系のみが「共和党候補」に投票するが55%と、「民主党候補」(35%)を上回った。キューバが共産圏であり、キューバ系は社会主義的とみられる民主党を支持しない傾向を示しているとみられる。メキシコ系、プエルトリコ系、中米諸国系、南米諸国系は「民主党候補」が「共和党候補」を上回った。

ラテン系登録有権者の間では、ジョー・バイデン大統領の支持率は45%だ。2020年の大統領選挙でバイデン氏が勝利した下院選挙区に居住する有権者では、バイデン氏の支持率が51%と高い。ドナルド・トランプ前大統領が2024年の大統領選挙に立候補すべきとする割合は17%にとどまり、同氏が「政界にとどまるべきでない」と、大多数の73%が回答した。

(注)実施時期は8114日。回答者は全米のヒスパニックの成人3,029人。ラテン系、ヒスパニックはほぼ同義。

(松岡智恵子)

(米国)

ビジネス短信 01234e4913d00e05