人生を豊かにしてくれると言われる読書ですが、いまや読書形態は、紙の本から電子書籍へと移行が進んでいます。

もちろん、紙の本にも良さはあります。でも扱い方に慣れてさえしまえば、電子書籍専用端末のメリットは捨てがたいものですからね。

電子書籍端末と言えば、押しも押されぬKindleが現状の王道。

そんなKindleですが、フルカラー液晶画面を搭載したKindle Fireは、Kindleと名付けられているものの、実質的に普通のAndroidタブレットと変わりありません。

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Photo: 田中宏和

本好きにとって王道たるKindleとは、Eインクを採用している無印Kindleのこと。文字の読みやすさ、重量、バッテリーの持続時間、コンテンツのラインナップ数などの点から見て、唯一の選択肢と言っても過言ではないですよね。

一方、『Kindle Scribe(プレミアムペン付き)』は、この無印kindleにデジタルメモ機能を追加した端末

お貸しいただける機会に恵まれましたので、早速レビューしてみます。

【「Kindle Scribe」はこんな人にオススメ!】

  • 読書習慣がある(字を読むのが好き)
  • メモは手書き派
  • 学習教材をもっと効果的に使いたい

『Kindle Scribe』は、どんな人に向いてる?

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Photo: 田中宏和

一般的なタブレット端末との違い

一応、先にデメリットを挙げておきます。

執筆時点で5万9980円という価格は、同じ画面サイズのフルカラー液晶を搭載したタブレット端末を購入できるレベルです。

一方、『Kindle Scribe』はEインクを使ったモノクロ画面なので、写真や動画を楽しむのには向きませんし、カメラも非搭載。ブラウザは、一応搭載されているものの、とりあえず表示できるというギリギリ感。

Kindleアプリを使えば、タブレット端末でもKindle本が読めることを考えれば、購入に意味を見出せないという人も少なくないでしょう。

「動画より読書のほうが楽しい」、あるいは少なくとも 「同じくらい楽しい」 と思えないなら、『Kindle Scribe』には手を出すべきではないと思われます。

手書きペンの実力は?

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GIF: 田中宏和

要するに、無印Kindleより画面が大きく、手書きペンで書き込みできるという特長に、約2~4万円を追加出費できるかどうかが、『Kindle Scribe』を購入するかどうかの分かれ目ということになります。

というわけで、まずはペンの書き心地を試してみましたが、これは相当に好印象。借りものだからお世辞を言っているわけではなく、本当にどんどん書きたくなる仕上がりになっていますよ。

あえてケチをつけるとするなら、筆圧で濃淡を描き分ける仕様になっていないところでしょう。つまり、本格的なイラストを描く道具としては使いにくい。

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Screenshot: 田中宏和 via Kindle Scribe

しかし逆に言えば、さらさらとメモを書く用途にピッタリの仕様になっています。

筆記感覚はサインペンに近く、まるで赤ペン先生のように書き込むことができます(ペンの色は黒ですが)。

もし、無印Kindleと手書きの電子メモ帳を併用しようと考えている人なら、迷わず『Kindle Scribe』を選ぶべきでしょう。

1台で2役をこなせるメリットは、決して小さくないですからね。

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GIF: 田中宏和

マグネットでピタッと本体にくっつけておけるペンには、プレミアムペンスタンダードペンの2種類がラインナップされています。

プレミアムペンは、ペンのお尻側に消しゴム機能を搭載しており、スタンダードペンとの違いはこの点のみ。

どちらがいいかは好みもあると思いますが、インターフェース上でもペン先に消しゴム機能を割り当てできますし、個人的にはスタンダードペンでも問題ないという印象です。

予算的に厳しいなら、プレミアムペンにこだわる必要はないでしょう。

ちなみにペンの充電は不要なので、普通にペンケースに入れておいても大丈夫。電源管理のわずらわしさがないのは、大きなメリットですね。

文章をハイライト表示しつつ注釈を書き込める

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Screenshot: 田中宏和 via Kindle Scribe

『Kindle Scribe』には、本の一文を選択(マーカーでラインを引く)し、その部分に対する注釈を書き込める機能があります。

Kindle Scribe』を選ぶべき理由を1つだけ挙げよ、と言われたら、私としてはこの注釈機能をピックアップすることになると思います。

参考書、辞書、外国語学習などと相性がいい機能ですよね。あとでキレイに消せるので、本にペンを入れるのは抵抗があるという人でも、気にせずガンガン書き込めます。

また、手書きだけじゃなくテキスト入力にも対応可能ですので、手書きが好きじゃない人でもシッカリ活用できますよ。

刺さる人にはたまらない、「ニッチな端末」堂々登場

重量は、約433g。6インチの無印kindleより倍以上重くなっているので、無印kindleユーザーが持つと重く感じるかもしれません。

それでも、同サイズのタブレット端末と比べれば約40~50グラム軽い仕様です。10.2インチの画面を採用していることを考慮すれば、十分に納得できる範囲内でしょう。

良くも悪くも、使う人を選ぶ “ニッチな端末” という評価に落ち着くと思いますが、刺さる人にとってはほかに変えられない価値があるのは間違いないところ。

電子書籍を読むことに特化した無印Kindleを、ノートとしても使える端末に進化させた『Kindle Scribe』。

気になる人はぜひ一度試してみて欲しいと思います。

——2023年1月4日の記事を再編集のうえ、再掲しています。

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執筆・撮影:田中宏和/Source / 製品貸出: Amazon.co.jp