2003年9月号

計装豆知識

USB

 
 USB(Universal Serial Bus)とは、米国インテル社などが提唱したパソコン向けシリアル・インタフェースの仕様です。SCSI、PCカード、ISA、PCIバスなど、周辺機器ごとに個別に存在していたインタフェースを1つに統合できます。具体的には、パソコンとマウス、キーボード、モデムなどの周辺機器をUSBポートを介して接続します。

歴 史
 USBの仕様には、USB1.0と同1.1、同2.0の3種類があります。USB1.0は1994年に規格化され、1996年に仕様書が完成してパソコンに搭載されるようになりました。なお、USB1.0の最大データ転送速度は12Mbpsであり、これは、マイクロソフトの「Windows」やアップル・コンピュータの「iMac」などが標準でサポートしていました。USB1.1は1998年に規格化されましたが、USB1.0との違いは、周辺機器の消費電力の最大値などが明確にされたことです。USB2.0は1999年10月に公開されました。最大転送速度が480Mbpsになり、USB1.0と1.1の約40倍にスピードアップしました。Windowsとの対応は、USB1.0と1.1はWindows95(OSR2.1)以降であり、USB2.0との対応はWindowsXPからです。なお、WindowsNTには対応していません。ただし、以上はマイクロソフト社による対応説明であり、実際にはバージョンの違いやハードウェアの環境によって使用できる状況が異なります。

特 長
 プラグアンドプレイに対応していますから、電源を切らずに接続の抜き差しができます。USBは、2本のデータ転送用信号線と2本のUSB機器への電源供給線すなわち計4本の線路をもち、USB機器に電源を供給できます。供給可能な電源仕様は5V、500mA(最大)です。USBハブ(図1)を介することによって、最大127台のUSB機器を接続できます。USB機器およびUSBハブの間はUSBケーブルで接続します。ケーブル1本の最大長は5mで、ツリー状接続でUSBハブを最大5段まで接続できるため、最も遠いデバイスは30mまで離せます。USB1.1では、「Low Speedモード」の1.5Mbpsと「Full Speedモード」の12Mbpsが使われています。従来のRS-232-Cポートの場合は、100~200 Kbpsが上限でしたから、「Low Speedモード」でも比較にならないほど高速です。USB2.0は、「Hi-Speedモード」では480Mbpsですが、USB2.0とUSB1.1の製品間では、12Mbpsの「Full Speedモード」でのデータ転送が行われます。

コネクタ
 USBケーブルの両端には形状の異なるコネクタが採用されています。これは、パソコン側と機器側を誤って接続しないように配慮されているためです。コネクタは一方を「Aプラグ」もう一方を「Bプラグ」と呼びます(図2)。最近のノートパソコンには、RS-232-Cが付いていないものが増えています。そのような場合を考慮し、USBをRS-232-Cに変換する便利なケーブルが発売されています(図3)。

今後の動向
 USB2.0で高速データ伝送が可能になったため、今後は映像など高い転送速度が要求される機器を含め広範囲にUSBが使用されて行くようになるでしょう。■

【(株)エム・システム技研 電算室】

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