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【ガウディの建築】強烈な個性が光る!アントニ・ガウディ代表作9選

サグラダファミリアだけじゃない!スペインの天才的な建築家・ガウディの名作をピックアップ!

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aerial view of the sagrada familia, a large roman catholic church in barcelona, spain, designed by catalan architect antoni gaudi
Prasit photo

一度見たら忘れられない有機的でユニークな建築を数多く手掛けたアントニ・ガウディ。「ガウディとサグラダ・ファミリア展」でも話題を集めるガウディの有名建築を改めておさらい!設計の工夫や意図を知れば、よりその建築を楽しめます。

【一度見たら忘れられないアントニ・ガウディの建築】
01|サグラダ・ファミリア / スペイン・バルセロナ
02|グエル公園 / スペイン・バルセロナ
03|カサ・バトリョ / スペイン・バルセロナ
04|カサ・ミラ / スペイン・バルセロナ
05|カサ・ビセンス / スペイン・バルセロナ
06|グエル邸 / スペイン・バルセロナ
07|グエル別邸 / スペイン・バルセロナ
08|コロニア・グエル教会 / スペイン・バルセロナ
09|カサ・カルベット / スペイン・バルセロナ

スペイン生まれの天才建築家・アントニ・ガウディとは?

アントニ・ガウディ 名建築 スペイン
《ガウディ肖像》1878年、レウス市博物館

天才とも狂人ともいわれる、類まれなる個性を発揮した建築家、アントニ・ガウディ。1852年、スペインのカタルーニャ地方で銅細工師の3男として誕生。16歳でバルセロナに移り、バルセロナ建築高等技術学校で建築を学びながら、建築事務所でも働いていました。
1878年、ガウディはクメーリャ手袋店からパリ万国博覧会に出展するのに使用するためのショーケースの設計を手掛けたところ、そのショーケースを見た富豪のエウセビオ・グエルがガウディの才能を見出し、さまざまな建物の設計をガウディに依頼することに。その後40年あまりの間、パトロンとしてガウディを支援したのです。
1883年、31歳という若さでサグラダ・ファミリアの専任建築家に推薦されて以降は、生涯を通してサグラダ・ファミリアの設計に注力しました。
スペインを中心に建てられた、有機的でユニークなガウディの代表的な作品をチェックしてみましょう。

01|サグラダ・ファミリア / スペイン・バルセロナ

majestic facade of sagrada familia basilica at early sunset in barcelona, catalonia, spain, a unesco heritage site
Sir Francis Canker Photography

いよいよ2026年に完成が予定されている、ガウディ未完の代表作です。イエス、マリア、ヨセフの聖家族に捧げる教会として1882年より建設に着手。ガウディが生きている間に完成した 「生誕のファザード」 と 「地下聖堂」は世界遺産として登録されています。建造物の一部が世界遺産に登録されるという異例の遺産です。

horizontal image of the sagrada familia cathedral ceiling with beautiful architectural design and amazing light in barcelona, spain
Stefan Cioata

リウマチを患い、病弱で他の子供と同じように遊ぶことができなかったガウディは、自然観察をして幼少期を過ごしたといわれます。この「自然」という存在がガウディに大きなインスピレーションを与え、動物や植物を象った装飾や、有機的な造形を生み出しました。サグラダファミリアの聖堂にある36本の柱も、まるで樹木のように上部が枝分かれし、天井には殉教のシンボルであるシュロの葉のモチーフが飾られています。

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02|グエル公園 / スペイン・バルセロナ

ガウディ スペイン 名建築
Alexander Spatari

1984年にユネスコの世界遺産に登録されたグエル公園もアントニ・ガウディの作品群のなかでも特に有名。ガウディのパトロンとして彼を師事した富豪、エウセビオ・グエルが計画した英国風の庭園式住宅地で、敷地内には1906~13年までガウディが実際に住んでいた邸宅(現在はガウディの博物館)もあります。

lizard of gaudi mosaic in park guell of barcelona
venakr

公園のエントランス入ってすぐの階段にあるオオトカゲ。公園のシンボル的存在ですが、階段の高低差を利用して階段の上につくられている市場にある貯水槽の水を排出する役目も担っています。

03|カサ・バトリョ / スペイン・バルセロナ

ガウディ 建築 スペイン
ZinCat

1877年に建設された歴史的建造物を、1904年にガウディが改築。この建物は骨の家、マスクの家、妖精の家、ドラゴンの家など、さまざまなユニークな名前をもつ空間デザインが特徴です。

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roof of casa batllo inbarcelona ガウディ 建築 スペイン
wallacefsk

特に印象的なのが個性的な煙突。実は魔物が家に侵入するときに煙突こそが一番の弱点という意識が中世の人々に根付いていたという説が。このカサ・バトリョもその考えから先端が尖っていたり、魔物が侵入できないよう開口部が閉じられた設計になっているといわれています。

04|カサ・ミラ / スペイン・バルセロナ

barcelona  ilustration
Frédéric Soltan//Getty Images

1906年に実業家のペラ・ミラ氏の依頼によって建てられた個人邸宅兼集合住宅。1984年には、ユネスコの世界遺産に登録されました。カサ・バトリョと同じく、完成当時に話題を呼んだデザイン。やさしく波打つ曲線のみを使用した「モデルニスモ」の建造物は、地中海やカタルーニャの雪山をモチーフに造られ、バルコニーはひとつとして同じデザインはありません。

barcelona  ilustration
Frédéric Soltan//Getty Images

こちらを訪れたらぜひ屋上を見学を。凝ったデザインの煙突や通気口、オブジェに手すりと見飽きることがありません。また、集合住宅の中央に「円形」と「楕円形」の2つのパティオを設置。この円形の庭によって建物の内側まで光と風を届けやすくする工夫がされています。

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05|カサ・ビセンス / スペイン・バルセロナ

facade of casa vicens in barcelona, spain it is first masterpiece of antoni gaudi built between 1883 and 1885
OlyaSolodenko//Getty Images

ガウディがはじめて住宅設計をしたとされる邸宅「カサ・ビセンス」。タイルとレンガ工場で成功を収めた実業家のマヌエル・ビセンス氏の夏の別荘として建てられました。彩色タイルやレンガ、幾何学模様の壁画が特徴のムデハル様式や、シュロの葉やマリーゴールドの草花をあしらうなど、さまざまな美しい要素が混在しています。

casa vicens
Miguel Sotomayor//Getty Images

建物のなかに入ると、エキゾチックな部屋や和を感じる部屋、不思議な形をした廊下、ポップでかわいらしい屋上など、コンセプトの異なるデザインが。そのどれもが細部にまでこだわって設計されています。

06|グエル邸 / スペイン・バルセロナ

palau guell, barcelona
yuriz//Getty Images

19世紀末、ガウディのパトロンであった実業家のエウゼビ・グエル伯爵の依頼によって建てられた邸宅で、ガウディ初期の傑作。バルセロナの旧市街にあり、ユネスコの世界遺産にも登録。
重厚感のあるアーチ状のファサードには、カタルーニャの紋章と、家主のイニシャルが掲げられています。この扉は外からなかは見えず、なかからは外が見えるという不思議な仕掛けが施されています。

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antoni gaudi palau guell
Tracy Packer Photography//Getty Images

屋上には一つひとつデザインの異なるカラフルな煙突が、なんと20個も配置されています。その内の14個はガウディ建築に頻繁に用いられている砕いたガラスやタイル、大理石などの手法が使われています。

07|グエル別邸 / スペイン・バルセロナ

els pavellons de la finca guell, guell pavilions portal gaudi
NemoAR//Getty Images

グエル伯爵とガウディの記念すべき初コラボ作品であるグエル別邸。バルセロナの高級住宅街に立っています。1844年、既存の建物と庭園をガウディが改修し、門や厩舎、門番小屋などを新たに増築しました。ちなみに、既に建てられていた建物はガウディの師匠、ジュアン・マルトレイ氏によるもの。
建物全体には、イスラム建築に影響を受けたスペインの建築様式「ムデハル様式」が用いられています。特に印象的な鉄製のドラゴンの門には、ガウディの造形美がこれでもかというほどに組み込まれていて必見です。

finca guell park
alarico//Getty Images

厩舎は、山なりの美しいアーチが天井部分を覆い、壁の角は天井とつながるようにすべて削られたドーム状になっています。現在は大改修中で2024年に改修完了予定ですが、門の外から外観を見学することは可能です。

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08|コロニア・グエル教会 / スペイン・バルセロナ

exterior view of guell crypt, masterpiece gaudi architecture located at catalunya outside town
JackF//Getty Images

通好みの作品といえば、このコロニア・グエル教会。世界遺産でもあります。1908年に建設が始まりましたが、1914年にサグラダファミリアに専念するために中断され、実際にガウディが完成させたのは地下聖堂とその入口という教会。完璧なアーチのための「逆さ吊り構造模型」の実験に10年を費やしたそう…。ガウディが手を引いた後、助手たちによって上部が完成されました。
外壁には玄武岩とレンガを使用。また破砕タイルを組み合わせた「トレンカディス技法」を採用し、防水の役割も担っています。

expressive roman catholic church of colonia guell, catalonia
JackF//Getty Images

地下聖堂の内部はドーム状になっており、中央には4本の玄武岩の柱を設置。それをつなぐように設けられたアーチはレンガ敷き。さらに、壁の大窓にはガウディの愛弟子であるジュゼップ・マリア・ジュジョール氏が手掛けたカラフルな花柄のステンドグラスが輝きます。

09|カサ・カルベット / スペイン・バルセロナ

casa calvet, a modernist style building designed by antoni gaudi
Manuel Milan//Getty Images

1899年に繊維メーカーのペレ・マルティル・カルベット氏の依頼により、オフィス兼集合住宅として建設されました。1900年には、第1回バルセロナ建築年間賞建築賞を受賞。外観は切り出した石を積んだ切積石や、破風はカルベッドの故郷「ヴィラサール・デ・ダルト」の守護聖人や「ペレ・マルティル・カルベット」の胸像が装飾されています。
現在、内部を見学することはできませんが、1階にあるレストラン「Casa Calvet」で食事をすると、ネオ・バロック様式の空間を楽しむことができます。

いまだに多くの人を引きつけて止まないガウディの手掛けた建築。その魅力は実際に体感してこそ理解できる、とよくいわれています。気になる建築があったらぜひ今後のスペイン旅行の候補にしてみてくださいね。
また、名古屋市美術館で開催の「ガウディとサグラダファミリア展」(2023年12月19日-2024年3月10日)をチェックしてみて!

展覧会についてはこちらをチェック!

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