だから問題は、なぜにこれが羊羹なのか、ということに尽きていた。 ルネ・マグリットの 『夢の解釈 Key to Dreams 』(1930年)なら、馬はドア、時計は風、花瓶は鳥でいいのである。
その解釈でいけるなら、この漉し餡を求肥で巻いたものが羊羹であってもかまわない。なんなら山鹿キャンディーでも、山鹿納豆でも、山鹿レザン・ドレ・オ・ソーテルヌでもいいのである。つまり世の中なんて何でもありなのだ。
しかし山鹿的には山鹿羊羹とはこの商品のことであり、それは揺るぎない地図と暦を持っている(たぶん)。だから異邦人はその「夢の解釈」をただ楽しむのである。
山鹿羊羹
山鹿羊羹を食べたのは、日輪寺:とき処 南無で精進料理を楽しんだ時以来だから、1年6ヶ月ぶりということになる。今回はお土産としていただいてきいた。それをお客様にもお出ししたのだけれども大ウケだった。最初にこの名付けをした人に、お茶で乾杯なのである。
今回いただいたものは、熊本屋製。山鹿市大宮通り。電話は0968-44-22259。月曜日定休(らしい)。