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あのとき、何食べた? ラトビア アウクスタズッパ


皆さんには、"忘れられない食事"はありますか?
「あのとき、何食べた?」は、中部に住む外国籍や外国にルーツのある方々の"忘れられない一品"を掘り下げるグルメドキュメントです。

豊田市のバレエスタジオで教える、アルトゥール・ソコロフさん(39)。
2年前、ラトビア国立バレエ団を引退し、妻・佑佳さんとともに来日しました。
「朝起きて、鳥のさえずりを聴くだけで幸せ」と超ポジティブなアルトゥールさん!
日本での忙しい毎日の中で、ふと思い出した料理がありました。

目次

【なぜ日本へ?】ラトビアのトップダンサー・アルトゥールさん

豊田市の教室で、主に子どもたちにバレエを教えているアルトゥールさん。実はすごいダンサーなんです!ラトビア国立バレエ団のトップを8年間務め、2021年には勲章まで授与されました。

バレエ団現役時代のアルトゥールさんと受賞式の様子

アルトゥールさんが日本に来たきっかけは、妻の佑佳さんとの出会いです。
佑佳さんも同じバレエ団で活躍していたバレリーナ。バレエ団の研修生としてラトビアにやってきた佑佳さんと出会い、自然に距離を縮めていきました。佑佳さんの抱えていた日本人ダンサーとしての重圧やホームシック、そんな悩みを前向きなアルトゥールさんがはねのけてくれました。アルトゥールさんは、佑佳さんに出会ってすぐに日本に行くことを意識し始めたそう。2年前、佑佳さんのケガを機に、2人はバレエ団を引退。佑佳さんの地元・豊田に移り住むことを決めました。

レッスンする佑佳さん
ラトビアでの食事風景

「日本では大変なこともあるけど、自分にとって楽しいことを見つけていければ大丈夫」、「朝起きて鳥のさえずりを聴くだけで幸せ」。小さな幸せを見つけることが上手なアルトゥールさん。佑佳さんは自分とは違う感覚だとは思いつつ、元気をもらっているそうです。

【アルトゥールさんの"あのとき"】ラトビアで過ごした豊かな時間

休暇の様子
ラトビアの自然

佑佳さんも驚くほどポジティブなアルトゥールさんの元気の源は、ラトビアの「夏の定番スープ」です。北海道よりも小さな国土の中に3千を超える湖と広大な森林が広がるラトビア。アルトゥールさんは子どもの頃から毎年家族で長い夏休みをとり、自然を満喫していました。携帯電話を置いて仕事のことを忘れ、とにかく休みをとる。そんな、家族との穏やかな夏の時間。食卓には決まって、爽やかな冷製スープがありました。今でも、スープの匂いが夏休みや休暇の雰囲気を思い出させてくれます。

アルトゥールさんは今、スタジオ運営のほかに、ほかの教室のゲストダンサーに招かれるなど大忙し。また日本では、長期の休暇もありません。あまり休みをとれないアルトゥールさんを、佑佳さんは少し心配しています。でも、そんな佑佳さんをよそに「大丈夫」と言い張るアルトゥールさん・・・佑佳さんは「どうかな〜」と笑います。

忙しい毎日の中で、やすらぎをくれる故郷のスープ。家族と一緒に食べるのが至福のひとときだとか。アウクスタズッパは「故郷の空気を思い出させてくれる」、思い出のスープです。

【アウクスタズッパのレシピ】火を使わず涼しく!

ラトビアの夏の定番スープ「アウクスタズッパ」。ほとんど火を使わないので夏でも涼しく調理できます。炭酸水を入れるのがアルトゥールさん流!ラトビアでよく使われるヨーグルト・ケフィアに近づけるための工夫なんだそうです。また、生のビーツが手に入らない場合は、水煮の缶詰で代用しても大丈夫です。

<材料(3~4人分)>
  • ビーツ・・・1個(水煮の缶詰でもOK)
  • 赤たまねぎ・・・1/4個
  • きゅうり・・・1/2本
  • ねぎ・・・1/4本
  • ベーコン・・・2枚
  • ゆで卵・・・2個
  • ヨーグルト・・・150~200L
  • 炭酸水・・・100cc
  • 塩、こしょう・・・少々
  • ディル(ハーブの1種でイノンドとも呼ばれます)・・・1枝(乾燥させたものでもOK)
<つくり方>
(1)

ビーツを皮付きのまま柔らかくゆで、冷めたら皮をむいて角切りにする。

(2)

赤たまねぎ、きゅうり、ベーコン、ゆで卵を小さめの角切りに、ねぎは小口切りにする。

(3)

ボウルに(1)(2)の食材と細かくちぎったディルを入れる。

(4)

ボウルにヨーグルトと炭酸水を加えて混ぜる。

※ピンク色を濃くしたい場合は、ビーツをすりつぶして加える。

(5)

塩、こしょうを入れて味付けする。

(6)

器に盛り、お好みで1/4に切ったゆで卵とディルを散らして、完成!

今回ご紹介したアウクスタズッパ、スープの具は自由だそう。アルトゥールさんは撮影時、「カイワレダイコンを入れてみようかな、どう思う?」と佑佳さんに相談したりしていました。ディレクターもいただきましたが、なんといってもディルの香りがすごく強い!ヨーグルトの酸味と具材のシャキシャキ感、そして最後に鼻から抜けていく爽やかな香り・・・夏バテ中のディレクターの胃にもスルスルっと入る、夏にぴったりな一品でした!



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