「ブル型ファンド」好成績目立つ 複利効果、リスクも大きく
投信番付
「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(日経レバETF)」の売買代金が膨らみ、レバレッジ型ETFはハイリスクハイリターンの投資商品として投資家に広く浸透した。
追加型株式投信で、投資対象指数の数倍の値動きをするレバレッジ型のファンドのことを「ブル型ファンド」という。指数先物を信託財産の数倍買い建て、高レバレッジを実現する。レバレッジ型ETFよりレバレッジの倍率が高いブル型ファンドも変動が大きい。
ブル型ファンドの6カ月間(2014年9月~15年2月)の騰落率ランキング上位には、3.5倍ブル型が1本、3倍ブル型が2本、2.5倍ブル型が4本、2倍ブル型が3本入った。
首位は「野村3.5倍ブル・ベア(日本株3.5倍ブル)」で、日本株の値動きのおおむね3.5倍程度の投資成果を目指すファンドだ。6カ月の上昇率は、日経平均株価の21.9%に対して、85.9%。6カ月の実際の上昇率は、レバレッジ倍率の3.5倍を上回る約3.9倍となった。
ブル型ファンドの値動きを誤解している投資家も多い。ブル型は「日々の値動き」が指数のレバレッジの倍率の値動きになるが、2日間以上離れた期間の騰落率は必ずしもレバレッジの倍率にはならない。
例えば指数が1日目、2日目ともに10%上昇した場合、2日間を通した指数の上昇率は「1.10×1.10」の計算で21%だが、3.5倍ブル型の場合、「1.35×1.35」で82.25%になる。複利効果により、3.5倍ブル型の2日間を通した上昇率は、指数の4倍近くになる。指数上昇の期間が長くなると、複利効果はさらに拡大する。
一方で、相場の下落局面では、ブル型ファンドの下落率は同様に大きくなるので注意が必要だ。
(QBRチーフファンドアナリスト 清家武)
[日本経済新聞夕刊3月26日付]