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新版アンドロイドの"お手本"はiモード

米グーグルの開発幹部2人に聞く

ジャーナリスト 石川 温

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グーグルが10月中旬に発表した基本ソフト(OS)「Android(アンドロイド)」の新バージョン「4.0」――。米アップルの新型スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone4S」に搭載された「iOS5」に対抗する重責を担う。その全容の一端が、グーグルの開発幹部2人の発言から浮かび上がってきた。マルチデバイス対応によりアップル追撃の体制を固めながら、NTTドコモが「iモード」で培った課金モデルや新技術を"お手本"に次なる進化を図ろうとしている。

マルチデバイス対応で広がる用途

「4.0」を搭載したスマホは、日本ではNTTドコモが韓国サムスン電子製の「GALAXY NEXUS」を11月に発売する。「4.0」の最大の特徴はマルチデバイスに対応した点だ。

「2.3」はスマホ向けに特化していたし、「3.0」シリーズはタブレット向けに開発されていた。アンドロイドグローバルパートナーシップディレクターのジョン・ラーゲリン氏は、「『4.0』は「スマホやタブレットだけでなく、テレビ画面サイズにも対応している。今後さらに豊富なデバイスが登場するだろう」という。

アップルの製品は、iPhoneもタブレットの「iPad」も同じ操作性を備えており、使いやすいものに仕上がっている。今回のバージョンアップでアンドロイドもようやく、スマホもタブレットも近いユーザーインターフェースで扱えるようになった。

アンドロイドの開発を統括するアンディ・ルービン上級副社長も「4.0」の操作性に自信を見せる。「我々は直感的な操作性を追いかけて、常にユーザーインターフェースの改善に取り組んできた。『4.0』でようやくゴールに近づいたと思う。我々の最高傑作だ」

最近のグーグルには懸念材料が多い。一つめはアップルとの関係だ。グーグルと協力してアンドロイドで積極的な端末開発を続けるサムスンは、アップルと法廷闘争を繰り広げている。アンドロイドを進化させて直感的な操作を追求すると、アップルからさらに訴訟を起こされるリスクが高まる可能性もある。

「怒りたい人は、何に対しても怒る。アップルがサムスンを訴えているのはデザイン面でOS部分ではないと認識している。アンドロイド端末は安く製造でき、競争力が高い。アップルやマイクロソフトは訴訟によってその普及を止めようとしているのではないか」(ラーゲリン氏)

 もう一つの懸念材料は、今後どのメーカーが「NEXUSシリーズ」の開発を担当するかだ。今回はサムスンだったが、将来的には先日買収を発表した米モトローラ・モビリティーに移る可能性も取り沙汰されている。こうした疑問にラーゲリン氏は、「デバイス開発で利害関係は捨てている。どの会社がパフォーマンスに優れた端末を作れるか、スピード感を持って開発できるかを重視する。アンドロイドのエコシステムへの影響を考慮して、(将来的にはあえてモトローラではなく)他社を選ぶ可能性が高い」と答えた。ルービン氏も「モトローラ買収はあくまで特許のためにすぎない」として、ハードウエアを自社で開発する意志がないことを繰り返し強調した。

グーグルからのコンテンツがないことが弱点

アンドロイドスマホは、国内外の多様なメーカーが端末開発にかかわれるようにしたことで、一気にシェアを伸ばした。世界で最も普及したプラットフォームになるのも時間の問題だろう。ただしタブレットになると話は別だ。ここではiPadが一人勝ちを続けており、アンドロイド搭載タブレットのシェアは圧倒的に低い。

アンドロイドタブレットに起死回生の秘策はあるのか。「アンドロイドタブレットは売れていない」という指摘に対し、ルービン氏は「失敗などしていない」と否定する。「すでに市場では600万台以上のアンドロイドタブレットでグーグルのサービスが利用されている。これはほかのアンドロイド端末(アンドロイドをベースにして開発されている電子書籍端末)を除いた数字だ」(同)。

アップルのiPadは、ユーザーが「Apple ID」を使って、映画や音楽などのコンテンツをいつでもどこでも簡単に買える利便性が大きい。これに対してアンドロイドプラットフォームには、グーグルによるコンテンツサービスがほとんどないところが弱点といえる。

様々なコンテンツサービスがアンドロイドプラットフォームに参入したが、ユーザーが決済手続きの途中で踏みとどまってしまうことも少なくない。当初はグーグルの決済手段だけにしか対応していなかったが、携帯電話会社の決済手段も使えるようにするなど改善を進めてきた。さらにコンテンツを提供する側にとってメリットとなりそうなのが、「グーグルによる月額課金」の導入だ。

 「月額課金の準備を進めている。しかも月ごとに『支払いを続けますか』というメッセージはなくてもいいのではないかと思っている。ユーザーに契約を継続してもらえれば、それだけコンテンツプロバイダの経営は安定し、さらにいいコンテンツを開発できるようになる。ユーザーがいつでも解約できるように、(契約しているコンテンツを)一覧表示して解約が簡単にできる仕組みも作るつもりだ」(ラーゲリン氏)

iモードの月額課金の有効性を理解

グーグルが目指しているのは、NTTドコモが「iモード」で育ててきたビジネスモデルそのものだ。iモードの公式コンテンツは、ほとんどが月額課金で成り立ってきている。コンテンツプロバイダは毎月、一定の収入を見込めるだけに、経営を安定させることができ、品質の高いコンテンツを投入できた。iモードコンテンツでは1カ月ごとに「契約を継続しますか」とは聞かれない。ユーザーは忘れたまま課金され続ける"幽霊会員"になってしまうこともあるが、コンテンツプロバイダにはありがたいシステムとなっている。

一方でスマホのコンテンツは現状、アプリを1回販売するだけの売り切り型がほとんどだ。ソーシャルゲームのようにアイテム課金で稼ぐ方法もあるが、そのモデルに向かないコンテンツは月額課金が望ましい。

アップルは自動継続課金モデルの導入を始め、携帯電話会社もスマホ向けの月額課金モデルを展開している。グーグルも同様の準備を進めているわけだ。

グーグルが月額課金の有効性を理解しているのは、ラーゲリン氏がNTTドコモでiモードビジネスにも携わっていた経験を持つため。グーグルはアンドロイドでNFC(near field communication)によって、おサイフケータイビジネスを展開しようとしている。ここにもラーゲリン氏の日本での経験が生かされようとしている。

最近でこそ「ガラパゴス」などとやゆされることが多い日本の携帯電話は、iモードのころから独特のサービスやビジネスを培ってきた。そのいくつかの技術やサービスがグーグルのプラットフォームにも取り入れられ、他社との競合やビジネスの拡大に貢献している。

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著に「グーグルvsアップル ケータイ世界大戦」(技術評論社)など。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226

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