EU、米インテルに制裁金590億円 CPU巡り競争法違反で
【ロンドン=大西康平】欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は22日、米インテルにEU競争法(独占禁止法)違反で3億7636万ユーロ(約590億円)の制裁金を再び科すと発表した。CPU(中央演算処理装置)の販売を巡り、市場での独占的な地位を利用して公正な競争を損ねたとしている。
欧州委によると、インテルは2002年11月〜06年12月、パソコンメーカー3社に対し、インテル以外のCPUが搭載された製品の発売中止や遅延を迫り、その対価としてリベートを支払っていたという。
欧州委は09年、インテルが公正な競争を損ねたと判断し、10億6000万ユーロの巨額の制裁金を科すことを決めた。当時は販売中止などに対するリベートに加え、自社製CPUの採用の見返りに支払ったリベートなども競争法に違反するとみていた。
インテルはその後、欧州委の判断を不服としてEU司法裁判所に提訴した。22年にはEU司法裁の一般裁判所(ルクセンブルク)が、自社製CPUの採用へのリベートなどについては反競争的だと立証できていないとして無効としていた。
この裁判で制裁金全体も取り消されていた。今回、欧州委は一般裁判所が無効としていない分野に限定し、再び制裁金を科した形となる。