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伝統と革新の京都、多様性が礎に 植木朝子さん

関西のミカタ 同志社大学長

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■昨年4月、1875年創立の同志社大で初の女性学長となった植木朝子さん(53)は東京育ち。古典文学の研究者として京都に憧れていた。

お茶の水女子大、十文字学園女子大を経て、2005年に同志社大に来た。文学部の教員補充の候補者としてお話があり、「もちろん行きます」と二つ返事。京都は古典文学の世界を体感できる憧れの場所だったからだ。

京都に住んだ最初の年は、冬の雨の多さに驚いた。古典和歌には「色々に染むる時雨にもみぢ葉は争ひかねて散り果てにけり」のように、時雨が木々の葉を染めるという表現がよくある。「時雨とは初冬に降る通り雨のことです」と学生に教えていながらも、からっ風の吹く関東では経験したことがなかった。古典文学の舞台に身を置き、ふに落ちたことは多い。

京都出身の先生、大阪出身の先生との会話で「関西弁」という言葉を使ったら、お2人から「一緒にせんといて」と言われた。関西といっても、特に京都・大阪・神戸は言葉のみならず、文化、風土が全く違う。関西はごく狭い面積の中にも多様性があり、東京を中心に均質性が高い首都圏とは異なる特徴がある。

■学長就任以来、ダイバーシティの推進を大学運営の柱の一つに掲げる。障がいのある学生や性的少数者への支援、男女共同参画推進などを視野に取り組みを進める。

国の都であり続けた京都には、歴史や伝統だけでなく、多様性を受け入れる土壌がある。同志社はキリスト教主義の大学だが、北は相国寺、南は御所。仏教、神道に挟まれた立地そのものが京都の多様性を象徴しており、学ぶ学生たちの背景はさまざまだ。能や日本舞踊など伝統文化に関わる家の出身の人も多い。一方、進取の気性に富む京都にはオムロン村田製作所などの先進企業もあり、多くの本学卒業生が関わっている。

同志社には「人一人ハ大切ナリ」という創立者、新島襄の精神が脈々と受け継がれている。人を個人として大事にする考え方は、多様性を認め、尊重しようという本学の伝統・文化の根底をなす。共感まで至らなくても、自分とは違う考えの人の存在を認める寛容さが大事で、その違いを新たな創造へと導くことでより良い社会が生み出される。

■新しいものを取り入れ多様性を育んできた京都。最先端の流行が存在するのと同時に、伝統や文化も守られてきた奥深さがあるという。

14年から京都五花街の一つ、祇園甲部の舞踊公演「都をどり」の構成・作詞を手がけている。京舞は本来、芸舞妓(まいこ)にしか教授されず、限られた範囲で伝承されてきたからこそ古態を残す。新しいものを受容する開放性が変化を生む一方、閉鎖性の中で残る伝統もあり、京都のバランスの良さを感じる。

同志社の大学生も西陣織の若手職人と共同プロジェクトに取り組み、着物の需要が落ちているなかで、どう今の時代につなげていくかを一緒に考えている。伝統と革新は表裏一体。大学としても学外との連携を進め、色々なものを取り入れる必要がある。

一方、京都の人は「裏では何か考えているけど、あまり本音は言わない」とか、大阪の人は「ずけずけ言うが裏がない」という。ステレオタイプな見方だが、確かにそのような面もあるのかなと思う。「一緒にせんといて」と言えるのは、それぞれの違いを言い合える遊び心や成熟した言語文化があるからだろう。

こうした関西ならではの多様性と発想は、東京一極集中の社会の「常識」の軸をずらすことができるのではないか。新型コロナウイルス下の自粛生活における孤立が、コミュニケーションの重要性を浮かび上がらせた今だからこそ、より重要な視点となるはずだ。(聞き手は奥山美希)

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