半導体シリコンの国内生産、23年は横ばい 年後半に回復
新金属協会(東京・港)は28日、半導体に使うシリコン(単結晶)の2023年の国内生産量が、22年から横ばいの1万1360トンになりそうだと発表した。半導体市場の落ち込みで出荷が鈍化しているが、年後半の需要回復を見込む。
販売量は内需が2%減の4050トン、外需は1%増の8470トンの見通し。半導体はメモリー製品が大きく落ち込むのに対し、演算用のロジック半導体は先端品向けの需要が底堅く減少幅が小さい。
新金属協会は23年の市場動向について「車載、パワー(半導体)関連は引き続き好調で、年後半は在庫調整の進展と各国の景気対策で半導体需要が回復に向かう」とコメントした。基板となるシリコンウエハーの需要も前年並みになるとの予測を示した。
22年の国内シリコン生産は、前年比5%増の1万2522トンで過去最高を更新した。半導体市場は年後半に失速したが、金額ベース、出荷個数ともに前年比3%増と伸びを維持した。シリコンウエハーの出荷面積も4%伸び、シリコン生産も堅調だった。