ベアリング・含油軸受

ベアリング・含油軸受の業界分類

ベアリング・含油軸受の業界定義ベアリング（回転や往復運動する相手部品に接して荷重を受け、軸等を支持する機械要素）や含油軸受を製造する。

ベアリング・含油軸受の業界概要

欧米に比べ自動車向け比率高い　２０年玉軸受け・ころ軸受け出荷額は１兆１９６２億円（経済センサス）ベアリングは「軸受け」と呼ばれ、自動車や産業機械などあらゆる機械の回転部分に使用され、摩擦抵抗を小さくするために使われる部品。一般的に玉やころなど「転動体」が回転する軸を支持する構造を持つ。代表的な「玉軸受け」は軸受けの可動部分間に玉を使って分離する転がり軸受けの一種。受ける荷重の方向により、「ラジアル玉軸受け」と「スラスト玉軸受け」に分類される。「ボールベアリング」とも言う。
「ころ軸受け」は起源が紀元前までさかのぼるほどの伝統的な軸受け。転動体として円柱を使うため、機動軸の内輪と外輪がずれると、玉軸受けよりも急激に荷重許容量が低下する。用途によって形状も異なり、パソコンのＨＤＤ（ハードディスク駆動装置）に使う、小型軸受けから風　力発電用などに使う大型のものまで幅広い。ころの形状により、「円筒ころ軸受け」「針状ころ軸受け」「円錐ころ軸受け」「自動調心ころ軸受け」に分けられる。(2024/04/15調査)

ベアリング・含油軸受のレポート

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ベアリング・含油軸受の市場動向

２３年の軸受け完成品販売額は０．８％減金融危機後に需要が落ち込んでいたが、世界の自動車生産台数の回復につれて、自動車用ベアリングの市場は大きく伸びてきた。だが、最近では世界的な景気減速の影響で自動車産業には逆風が吹き、ベアリング産業もその直撃を受けている。２０年は世界的なコロナ禍が吹き荒れ、景気の下押し圧力も最大になった。２１年はその反動もあり、ベアリング業界も自動車産業の復調に合わせて息を吹き返してきた。２２年２月に勃発したロシアのウクライナ侵攻は、紛争の長期化と対ロ制裁の強化に伴い、サプライチェーンの混乱を通じて自動車業界とのつながりの深いベアリング業界へのマイナスの影響は免れない。
経産省・日本ベアリング工業会によると、２３年の軸受け完成品販売額は前年比０．８％減の８４０５億５４００万円。内訳は玉軸受けが０．２％増の４３９７億７９００万円。ころ軸受けが３．０％減の３６９３億１９００万円。完成品輸出額が９．８％減の４０９０億４０００万円。輸入額が２．２％増の８６６億４００万円。(2024/04/15調査)

ベアリング・含油軸受の競合状況

不二越の今期は減収減益予想ベアリング業界をリードするのは独立系の日本精工（ＮＳＫ）、ＮＴＮとトヨタ系のジェイテクトの３社。ＮＳＫは自動車や鉄道、２輪車、医療機器、精密機器などあらゆる業界に多種多様なベアリングを供給している。ＮＴＮは自動車や精密機器に関する分野でＮＳＫとの差別化を図っている。上位２社がベアリング専門なのに対して、ジェイテクトはベアリング以外にも多くの製品を扱っている。
国内最大手は日本精工。７月と１０月の２回にわたり２４年３月期予想を下方修正。売上高が前期比１４．７％減の８０００億円、営業利益が８．９％減の３００億円と減収減益を見込む。中国経済の落ち込み等から工作機械や半導体製造装置向けのベアリングやボールねじ等の需要落ち込みが響く。(2024/04/15調査)

ベアリング・含油軸受の関連業界

業界名	関連企業	概要
高炉製鉄	日本製鉄/JFEスチール/神戸製鋼所すべて見る	高炉を持ち、鉄鉱石から高炉、転炉、鋳造工程を経て鋼板等の最終製品を製造する、銑鋼一貫製鉄を行う。
電炉製鉄	中山製鋼所/合同製鐵/大和工業すべて見る	鉄スクラップを原料とし、電気炉で普通鋼ならびに最終製品を製造する。
特殊鋼・合金鋼・ステンレス	エムアイイーテクノ/高砂鉄工/大同特殊鋼すべて見る	鉄スクラップを主原料として、合金鉄、特殊鋼、ステンレス、ピアノ線等を製造する。

ベアリング・含油軸受の関連企業

企業名	業界	概要
日本精工株式会社	ベアリング・含油軸受	【ベアリング最大手】海外展開で先行。産業機械向け補修品を強化。
株式会社ジェイテクト	ベアリング・含油軸受	【ベアリング大手】ステアリングや工作機械も積極展開。
株式会社不二越	ベアリング・含油軸受	【軸受け・工具大手】自動車向け主力。工作機械、ロボットも展開。