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励まされたみずみずしい小説 文体、文章、思考の粘り強さ…【大江健三郎さんを悼む】

寄稿・岡田利規氏

岡田利規さん寄稿

 大江健三郎はわたしがとても好きな小説家です。毎年必ず一作か二作を読み、読み返しています。大江健三郎を読むこと、とりわけ海外に滞在しているときに読むことは、わたしにとってとても愉(たの)しいこと、そしてとても必要なことなのです。大江さんの小説は、日本語を、日本の社会の現状の文脈に絡め取られずそこから自由に、自分独自のやりかたで用いる、それによって考え抜いていくということが体現されています。だからわたしは大江さんの文体、文章、思考の粘りにときおり触れる必要があると感じます。

 大江健三郎さんにわたしは二、三回ですが、会うことができました。...

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