通常はデフォルト設定のまま何もしなくても問題なく通信ができていると思いますが、極まれにネットワークが遅くなるなどの障害が発生し、詳細設定の変更で改善することがあります。ときどきネット上で「1ギガ(Gbps)に落ちるので(速度とデュプレックスの)自動ネゴシエーションを2.5G(=2.5Gbps フルデュプレックス)に設定したら安定した」などのコメントを見かけることがあります。
またRealtekのUSB有線LANアダプター用(RTL8156系など)のドライバーでは、2022年に新しく追加された「Miscellaneous Transfer Settings」の設定を初期値の[無効]のまま使用すると通信速度が半減する事象がありました(次のドライバーで解消)。事象が発生したタイミングで2.5Gbpsの有線LANアダプターを導入した人は「2.5GbE化したけど実測は1.3倍にしかならない」とガッカリされた人がいるかもしれません。
プラネックスはドライバー公開時に初期値[無効]のまま使用すると通信速度が低下することを告知しました
ちなみに2023年10月に発売された「
USB-LAN2500R2」「
USBC-LAN2500R2」と同時に公開したドライバーには最近追加された設定項目として「Receive URBs」「Transmit URBs」「受信バッファ」「伝送バッファ」などがあります。
例えば「伝送バッファ」はPCIe用のドライバーには以前からありましたが、USB用には新たに追加されました。PCIe用ドライバーの初期値はWindows 10が128、Windows 11は512となっていますが、USB用ドライバーは32とこれまでのPCIe用とはかけ離れた初期値となっています。
このような新機能が追加されるとプラネックスは検証を行ってから公開します。USB用の「伝送バッファ」の設定範囲は1〜256、初期値は32です。1から256まで設定値を1ずつ変更して送信、受信の速度をそれぞれ各5回、iperfを使用して計測します。設定値2〜64は初期値と同じ通信速度で正常に動作します。設定値を1にすると送信の速度が500Mbpsほど低下します。
大きな問題が確認できたのは65から256に設定した場合です。受信は正常に動作しますが、送信はiperfによる計測不能となり通信ができません。送信のテストで通信不能になると受信側も通信不能となります。送信側に大きな負荷がかかるとLANアダプター全体が通信不能となるようです。
前述の「Miscellaneous Transfer Settings」のように、初期値のまま使用すると速度が低下するなどの不具合が確認できた場合はドライバーの公開時に告知しますが、今回は初期値のまま使用すれば不具合は発生しないので何も言及せずにドライバーの公開をしています。この「伝送バッファ」以外の項目でも初期値以外の設定で発生する不具合を確認しています。おそらく近いうちに修正されたドライバーが公開されると思います。
プラネックスがドライバーを入手できるのは一般のユーザーと同じタイミングです。検証に必要な日数は設定項目の変更内容によりますが、プラネックスのドライバー公開はベンダーより確実に遅れます。変更内容や不具合によっては公開しない場合もあります。できるだけ早く公開することを心掛けていますが現状をご理解いただきご了承いただければと思います。
今回は2.5Gbps USB有線LANアダプター用のドライバーと2.5Gbps PCIe用のLANアダプターのドライバーの詳細設定について解説をしますが、Realtekはギガビット=1GbEも2.5GbEも同じドライバーを使用します。一部2.5GbE専用の設定はありますが、多くの項目は1Gbpsと共通ですので、ギガビットLAN対応のパソコンをお使いの人も参考になると思います。
実際にデスクトップパソコンのマザーボードのオンボードLANが1GbE、そのPCIeに2.5GbEのNIC(Network Interface Card)を増設したときのデバイスマネージャーを見てみましょう。Realtekの2つのコントローラーが表示されています。
それぞれのプロパティの詳細設定を見ると赤枠で囲った設定項目は2.5GbEにだけ表示されていますが、1GbE、2.5GbEに共通する項目も少なくありません。
2.5GbEの設定画面にだけ表示される項目があります
1GbEの設定画面。2.5GbEと共通の項目があります
では最初は詳細設定画面の開き方から説明します。デバイスマネージャーを開く方法はいくつかありますが、今回はスタートボタンを右クリックして表示されたメニューからデバイスマネージャーを選択します。
デバイスマネージャーが開いたらネットワークアダプターをダブルクリックします。プルダウンで表示されたリストからRealtekのネットワークアダプターをダブルクリックするか、右クリックでプロパティを選択するとネットワークアダプターのプロパティの画面が開きます。
USBのデバイスマネージャーの画面
PCIeのデバイスマネージャーの画面
開いたプロパティの詳細設定のタブをクリックすると詳細設定の画面が開きます。
プロパティが開いたら詳細設定のタブをクリック(USB)
プロパティが開いたら詳細設定のタブをクリック(PCIe)
詳細設定が開きます(USB)
詳細設定が開きます(PCIe)
2.5GbEのLANアダプターを取り付けて、ドライバーをインストールしなくてもWindows標準搭載のドライバーで動作することがあります。ドライバーを確認するとMicrosoftと古い日付が表示され、詳細設定はOSの基本項目しか表示されません。細かな設定項目を確認、設定する場合は最新のドライバーをダウンロード、インストールしてください。
ここからはすべての詳細設定の解説を順番に進めて行きます。調べたい設定項目が決まっている人は以下のリストからジャンプすることができます。
1. Adaptive Link Speed
初期値は「無効」。接続するUSBポートやケーブルのバージョンにより、リンク速度が自動的に調整される機能です。「有効」設定の場合、RTL8156x製品(2.5GbE対応)をUSB2.0ポートに挿すと、リンク速度が1.0Gbpsに自動設定されます。なお自身や対向機器の速度とデュプレックス設定が2.5Gbps固定の場合、リンク速度は2.5Gbpsのまま変化しません。
2. Advanced EEE
初期値は「無効」。EEE有効時をベースにした機能。ICの未使用ブロックを無効化し、省電力を実現します。
3. ARPオフロード
初期値は「有効」。デバイスの電源状態がD3(USBではS5=シャットダウン、PCIeではS3=スリープ、S4=休止、S5=シャットダウン)のとき、ARP要求に応答する機能です。ARP要求とは「このIPv4アドレス持っている機器はMACアドレスを教えて下さい」というリクエストのことで、このリクエストを受信した機器が返答する(要求側機器にARP Replyを送信する)と、要求側機器はIPv4アドレスとMACアドレスを関連付けて「ARPキャッシュ」として保存します。
4. Battery Mode Link Speed
初期値は「速度低下ではない」。バッテリー駆動中の機器(ノートパソコン等)に挿して使う際のリンク速度を設定できます。ノートパソコン等に電源が繋がっていればこの機能は動作せず、リンク速度は[速度とデュプレックス]設定に準じます。
5. EEE Max Support Speed
初期値は「1.0 Gbps フルデュプレックス」。「リンク速度が設定した速度以下になったらEEE(Energy Efficient Ethernet:省電力イーサネット)が発動する」という、EEE開始のトリガーを決める項目です。EEEの有効・無効は後出の「省電力型イーサネット(EEE)」で設定します。
6. Gigabit Lite
初期値はUSBが「無効」、PCIeが「有効」。結線が2対だけのLANケーブル(100BASE-TX時代にあった正式な4対ではない2対のCat.5相当など)が接続された際に500Mbpsでリンクさせる設定です。
7. idle power down restriction
初期値は「Only idle when user is present」。アイドル時のパワーダウン機能とWoLパケットフィルタ機能の両方がある場合、デバイスのパワーダウンが発生するタイミングをユーザーが決定できます。
8. Idle Power Saving
初期値は「無効」。LAN未接続時の消費電力を抑える機能です。「有効」に設定するとUSB LANアダプターをパソコンに接続し、かつLANに接続しない場合に省エネ機能が働きます。EEE関連の項目とは無関係に動作します。
9. IPv4 チェックサムオフロード
初期値は「受信と伝送有効」。アドレスチェックサムの計算をネットワークアダプターが肩代わりする機能です。伝送有効にすることでCPUの負荷が軽減しパフォーマンスの向上に繋がります。CPUが非力だった時代には有効なパフォーマンス向上手段でしたが、CPUが高性能化、マルチコア化された現在では、CPUに処理を任せたほうが性能を引き出せる可能性もあります。
10. LAN 上のウェークアップのシャットダウン(英語表記は「Shutdown Wake-On-Lan」)
初期値は「有効」。システムの電源状態がS5(シャットダウン)のパソコンをWoLで起動させられるかを制御するための項目です。「有効」に設定するとWoLが待ち受け状態になります。S3(スリープ)、S4(休止)をWoLで起動させるためには後出の[ウェイク・オン・マジック・パケット]を設定する必要があります。
11. Miscellaneous Transfer Settings
初期値は「無効」。有効に設定するとUSBホストとの互換性が向上します。プラネックスが2022年6月に公開したWindows用ドライバーで初期値の「無効」のまま使用するとアップロードの速度低下が発生しました。2022年8月に公開したドライバーでは「有効」「無効」どちらに設定しても正常にアップロードできることを確認しています。
12. Modern Standby WoL Magic Packet
初期値は「無効」。Windows 10で実装されたモダンスタンバイ(スリープ状態でもWi-Fiに接続し続け、一定時間ごとにメールなど新着情報を確認する機能)状態にあるパソコンを、WoLマジックパケットに対応させるかどうかが設定できます。
13. NSオフロード
初期値は「有効」。電源状態がD3(USBではS5=シャットダウン、PCIeではS3=スリープ、S4=休止、S5=シャットダウン)のとき、Neighbor Solicitationに応答する機能です。Neighbor Solicitationとは「このIPv6アドレス持っている機器はMACアドレス教えて下さい」というリクエストのことで、言い換えると前出のARPオフロードのIPv6バージョンとなります。このリクエストを受信した機器が返答する(要求側機器にNeighbor Advertisementを送信する)と、要求側機器はIPv6アドレスとMACアドレスを関連付けて「Neighbor Discoveryキャッシュ」として保存します。
14. Receive URBs
初期値は「8」。URB(USB Request Block)とは、[USBデバイス−コンピューター]間で通信・制御を行う際に使われるデータ形式のことです。SCSIにおけるCDB(Command Descriptor Block)のようなものとなります。「Receive」という名のとおり、USBデバイスが外部ネットワーク機器からデータ受信する際のURBサイズを設定できます。
15. Power Saving Mode
初期値は「有効」。Power Saving Modeは直訳すると省エネモードです。
16. Recv Segment Coalescing (IPv4)
初期値はUSBが「無効」、PCIeが「有効」。ただし、PCIeでWindows 11とRTL8125BGの組み合わせでは項目が表示されません。OS、ドライバー、チップの組み合わせで初期値が異なる可能性があります。受信データで処理される IP ヘッダーの数を減らし小さいパケットをより大きな単位にグループ化 (または結合) することで、受信データのパフォーマンスを向上させる機能です。
17. Recv Segment Coalescing (IPv6)
初期値はUSBが「無効」、PCIeが「有効」。ただし、PCIeでWindows 11とRTL8125BGの組み合わせでは項目が表示されません。OS、ドライバー、チップの組み合わせで初期値が異なる可能性があります。受信データで処理される IP ヘッダーの数を減らし小さいパケットをより大きな単位にグループ化 (または結合) することで、受信データのパフォーマンスを向上させる機能です。
18. RSSキューの最大数
初期値はRTL8125Bが「4キュー」RTL8125BGが「2キュー」。受信側スケーリング(RSS:Receive-Side Scaling)により複数のCPUで処理させる受信キューの数を設定する項目です。
19. Selective suspend
初期値は「無効」。NDIS(Network Driver Interface Specification=ソフトウェアからLANアダプターにアクセスするためのインターフェース仕様)は次項のSS idle timeoutのタイムアウト時間を超えて非アクティブになっている場合、LANアダプターを低電力状態に遷移させるため、ミニポートドライバーにアイドル通知を発行しセレクティブサスペンド操作を開始します。
20. SS idle timeout
初期値は「5」、単位は秒。前出のSelective suspendにおけるタイムアウト時間を設定します。1〜60秒の範囲で指定できます。
21. SS idle timeout(Screen off)
初期値は「3」、単位は秒。前出のSS idle timeoutと同様ですが、画面OFF時のみに適用される設定です。1〜60の範囲で指定できます。
22. TCP チェックサムオフロード (IPv4)
初期値は「受信と伝送有効」。TCPにおいてアドレスチェックサムの計算をネットワークアダプターが肩代わりする機能です。伝送有効にすることでCPUの負荷が軽減しパフォーマンスの向上に繋がります。
23. TCP チェックサムオフロード (IPv6)
初期値は「受信と伝送有効」。TCPにおいてアドレスチェックサムの計算をネットワークアダプターが肩代わりする機能です。伝送有効にすることでCPUの負荷が軽減しパフォーマンスの向上に繋がります。
24. Transmit URBs
初期値は「4」。URB(USB Request Block)とは、[USBデバイス - コンピューター]間で通信・制御を行う際に使われるデータ形式のことです。SCSIにおけるCDB(Command Descriptor Block)のようなものとなります。「Transmit」という名のとおり、USBデバイスが外部ネットワーク機器にデータ送信する際のURBサイズを設定できます。
25. UDP チェックサムオフロード (IPv4)
初期値は「受信と伝送有効」。UDPにおいてアドレスチェックサムの計算をネットワークアダプターが肩代わりする機能です。伝送有効にするとCPUの負荷が軽減しパフォーマンスの向上に繋がります。
26. UDP チェックサムオフロード (IPv6)
初期値は「受信と伝送有効」。UDPにおいてアドレスチェックサムの計算をネットワークアダプターが肩代わりする機能です。伝送有効にするとCPUの負荷が軽減しパフォーマンスの向上に繋がります。
27. VLAN ID
初期値は接続する機器(スイッチングハブ等)がVLAN非対応の場合は「存在しない」。環境に依存し「0」「10」など。VLANグループにVLAN ID(固有の識別番号)を割り当てると、それを送受信されるイーサネットフレームのヘッダー部に記述してグループを識別します。複数のスイッチングハブをまたいでネットワークが構成されていても、VLAN IDを参照することでイーサネットフレームがどのVLANグループに属しているかがわかります。VLANのIDを0〜4094で指定できます。
28. Wake on link change
初期値は「有効」。リンク状態変更イベント(LANケーブルが抜かれた、もしくは挿し込まれた)を感知すると、システムを起動させる機能です。
29. Wake on magic packet when system is in the S0ix power state
初期値は「無効」。IntelがHaswell世代で追加した、電源ステートがS0ixの状態でマジックパケットによりシステムを起動させる機能です。
30. WOL と シャットダウンリンク速度
初期値は「10Mbps優先」。WoL待ち受け時のリンク速度を設定する項目です。WoL待ち受け時はこの設定が優先されますが、[速度とデュプレックス設定]以上にはなりません。
31. ウェイク・オン・パターン・マッチ
初期値は「有効」。OS指定のビットマップパターンと一致するデータを受信した場合に起動する機能です。
32. ウェイク・オン・マジック・パケット
初期値は「有効」。システムの電源状態がS3(スリープ)、もしくはS4(休止)のパソコンでWoLのマジックパケットを受け入れるか拒否するかを指定します。S5(シャットダウン)時の対応は前出の「LAN 上のウェークアップのシャットダウン」で指定します。
33. グリーンイーサネット
初期値はUSBが「無効」PCIeが「有効」。グリーンイーサネット機能(Link-down検知 / Ethernetケーブル長感知パワーセーブ方式)を制御するための項目です。対応する速度は100Mbpsと1Gbpsのみとなり、2.5Gbpsは非対応です。
34. ジャンボフレーム
初期値は「無効」。イーサネット標準の1500(正確には1518)バイトよりも大きいフレームを送信できるようにする機能です。スループットの向上、CPU負荷の削減ができることがあります。
35. ネットワークアドレス
初期値は「存在しない」。任意のMACアドレスを設定できます。MACアドレスの入力時はハイフンやコロンを入れず、12ケタの16進数だけを入力します。「存在しない」選択時は、元のMACアドレスが使用されます。
36. フローコントロール
初期値は「受信と伝送有効」。有効に設定することで受信バッファがオーバーフローしたときに、データ送信の一時停止を送信側に求めパケットロスの発生を防止する機能です。
37. 一括送信オフロード v2 (IPv4)
初期値は「有効」。有効に設定すると、大きいサイズのIPv4 TCPパケットを送信する際にMTUサイズへ分割する処理を、パソコンのCPUに代わってネットワークアダプターが肩代わりします。
38. 一括送信オフロード v2 (IPv6)
初期値は「有効」。有効に設定すると、大きいサイズのIPv6 TCPパケットを送信する際にMTUサイズへ分割する処理を、パソコンのCPUに代わってネットワークアダプターが肩代わりします。
39. 割込みモデレーション
初期値は「有効:Enable」。割り込みモデレーションを有効にすると、NIC(Network Interface Card)はパケットを受信した直後に割り込みを生成せず、割り込みを生成する前により多くのパケットが到着するかタイムアウトが切れるのを待機します。
40. 受信バッファ
初期値はUSBが「34」PCIeが「512」、単位はByte。受信データのバッファリングに使用できるネットワークアダプターのメモリを指定する機能です。
41. 受信側スケーリング
初期値は「有効」。パソコンのマルチコアCPUなどで、ネットワーク受信処理を効率的に分散できるようにする機能です。クロックが低い、コア数が少ないなどパソコン側のリソースが足りない場合は有効にすることでパフォーマンス向上が期待できますが、リソースに余裕がある場合は1つのコアで処理したほうがオーバーヘッドを抑えられる可能性があります。
42. 省電力型イーサネット(EEE)
初期値はUSBが「無効」PCIeが「有効」。EEEは「Energy Efficient Ethernet」の意味で通信量とLAN接続状態によって消費電力を抑えます。前出の「EEE Max Support Speed」で指定した値がEEEの発動条件となります。省電力の効果はありますが、スリープ明けなどで接続する機器(スイッチングハブ等)とのリンク速度の低下が報告されていますので、こうした事象が発生する場合は[無効]に設定することで解消します。
43. 速度とデュプレックス
初期値は「自動ネゴシエーション」。リンク速度とフル/ハーフデュプレックス(全二重/半二重)を指定できます。通常は接続する機器(スイッチングハブ等)に合わせて最適な速度に設定されますが、極まれにリンク速度の低下などの報告があり、リンク速度を指定することで速度低下を解消できることがあります。
44. 伝送バッファ
初期値はUSBが「32」PCIeはWindows 11が「512」Windows 10が「128」、単位はByte。送信データのバッファリングに使用できるネットワークアダプターのメモリを指定する機能です。
45. 優先度およびVLAN
初期値は「優先度およびVLAN 有効」。IEEE 802.1Q仕様の優先度とVLANを制御する機能です。IEEE 802.1Qでは各VLANグループに前出のVLAN ID(固有の識別番号)を割り当て、これを送受信されるイーサネットフレームのヘッダー部に記述してグループを識別します。複数のスイッチングハブをまたいでネットワークが構成されていても、VLAN IDを参照することでイーサネットフレームがどのVLANグループに属しているかがわかります。