楽天
美容健康コラム 重要なミネラル成分セレン 重要なミネラル成分セレン 重要なミネラル成分セレン

セレンとは?その効果と副作用

セレンとは何か
セレンは自然界に存在する半金属の元素で、土壌や水中に見られます。この元素は植物や動物によって吸収され、生物の体内で利用されます。

セレンは食物連鎖を通じて植物から動物へと伝えられており、食物中のセレン含有量は、その食物が育った土壌や水のセレンの濃度に依存します。人間や他の生物がセレンを摂取する主な方法はこのような食物を通じての摂取となります。
セレンとは自然界に存在する半金属の元素
私たちの健康維持には、セレンが欠かせません。その欠乏は、酸化ストレスの蓄積や老化の進行を促し、疲労、肌トラブル、心臓病のリスクを高めると言われています。事実として、世界中でセレン不足の影響を受けている人は約10億人にも上るとされています。

しかし、適切な食生活を心掛ければ、通常、セレンが不足することは少ないと考えられています。一方で、セレンの過剰摂取はヨウ素欠乏や毒性の原因となる可能性があるので、日々の摂取量には注意が必要です。特に亜セレン酸の過剰摂取は、非常に危険なので注意してください。

出典元:Barceloux, D. G. (1999). Selenium. J Toxicol Clin Toxicol, 37(2), 145-72.
セレンの免疫系に対する効果
セレンは、抗酸化作用を持ち、私たちの健康を維持する上で欠かせない役割を担っています。特に、免疫系や、体の新陳代謝を調整する甲状腺ホルモンの正しい働きに、セレンという微量元素は欠かせません。

さらに、食品に含まれるヨウ素(ミネラル)を過剰摂取すると、甲状腺ホルモンに悪影響を及ぼすとされていますが、セレンを適量摂取することで、その問題を軽減させることが可能です。また、甲状腺の炎症を防ぐ効果や、過度な免疫反応、慢性炎症の抑制にも関連があると研究で示されています。
セレンと甲状腺の炎症を防ぐ効果
出典元:Stuss, M., Michalska-Kasiczak, M., & Sewerynek, E. (2017). The role of selenium in thyroid gland pathophysiology. Endokrynol Pol, 68(4), 440-465.
セレンと癌治療
近年、医薬品の開発、特に癌治療薬の研究で、セレンを含む化合物に注目が集まっています。

セレンはセレノ酵素の成分として働きます。例えば、「グルタチオンペルオキシダーゼ」や「チオレドキシンレダクターゼ」といった酵素の構成要素として存在しています。

セレノ酵素は活性酸素を中和する抗酸化作用はもちろんですが、DNAの修復や細胞の再生にまで関与していることが示されています。

※「グルタチオンペルオキシダーゼ」とは、細胞の酸化的損傷を予防する働きをもつ酵素であり、体内に生じる有害な過酸化物を無毒化します。

「SELECT試験」という海外の大規模研究では、セレンが癌予防に直接的に役立つかは明確には示されませんでした。しかし、他の多くの研究では、セレンが癌のリスクを減少させる可能性があることは示唆しています。

実際、一部の研究で、セレンが癌細胞に酸化ストレスを与えてアポトーシス(細胞死)を誘導することが確認しています。これは、セレンが癌治療にも有望であることを意味します。

面白いことに、セレンには抗酸化作用がありますが、癌細胞に対しては酸化促進物質として作用する事が示されたのです。
セレンとがん治療
出典元:Brozmanova, J. (2011). Selenium and cancer: from prevention to treatment. Klin Onkol, 24(3), 171-179.
セレンとアルツハイマー
アルツハイマーは脳の病気ですが、脳への酸化ストレスがその原因の1つであるとされています。

アルツハイマー患者と健康な人の脳内のセレンの量を比較したところ、アルツハイマー患者の脳内におけるセレンの量は、健康な人に比べて減少していることが確認されました。特に、側頭葉や記憶を担当する海馬の部分でセレンの不足が目立ちました。

これによりセレンの抗酸化作用は脳へも作用している可能性が示され、セレンを使った新しいアルツハイマー治療への研究に注目が集まりました。
セレンとアルツハイマー
出典元:Varikasuvu, S. R., Prasad, S. V., Kothapalli, J., & Manne, M. (2019). Brain Selenium in Alzheimer's Disease (BRAIN SEAD Study): a Systematic Review and Meta-Analysis. Biol Trace Elem Res, 189(2), 361-369.
セレンの副作用 過剰摂取に注意
バランスの取れた食生活では、セレンの過剰摂取はあまり心配する必要はありません。しかし、セレンを多く含むサプリメントを摂りすぎると、過剰摂取の副作用として、爪や皮膚のトラブル、吐き気、下痢、胃腸の不調、またニンニクのような口臭が生じる可能性があります。

重度の副作用としては、心臓や肺にまでダメージが与えられます。

セレンは、タラコ、たら、カツオ節などに比較的多く含まれています。さらに、カレイやマグロ、カツオ、イワシ、アジのような魚類、そして牛肉、豚肉、卵焼き、ピーマンなどにも含まれています。偏食の傾向がある方は、セレンの摂取に注意が必要です。
セレンを比較的多く含む食品
1日の摂取目安量は、性別や年齢、乳児、妊婦さんなどによっても異なりますが、18歳以上の男性の場合は、30μg/日、女性の場合は25μg/日が推奨値とされています。

また、耐容上限量としては男性で420μg/日、女性で330μg/日を目安にして頂くとよいと思います。

出典元:「日本人の食事摂取基準2015年版」より引用改変
大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
著者:大名町スキンクリニック 院長 橋本 慎太郎
金沢大学医学部卒、美容皮膚科クリニックを運営
https://m-beauty.jp/about/dr.html

エビデンスやメーカー様の資料などさまざまな文献を基に、みなさまの生活をより豊かにするための情報を発信しております。
本成分は、疾病の診断、治療、予防を目的としたものではありません。疾病に罹患している場合はかかりつけ医師に、医薬品を服用している場合は医師、薬剤師に相談してください。食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスをお勧めします。
copyright (c)
エクセレントメディカル all right reserved.

〉〉