駒井哲郎やデービッド・ホックニーの作品を参考にしてきたという。確かに重野の作品には駒井の重厚な幻想とホックニーのポップな諧謔(かいぎゃく)が入り交じり、独特の世界を作っている。
しばらく話していて、どの指のつめの間にも、黒いインクがこびりついているのを見つけた。その瞬間、だて男が、真面目な好漢に見えてきた。「銅版画と格闘してときおりにじみでる線がある。そうしたものを作りたいんです」
「重野克明銅版画展」は4月26日までだ。
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彫刻と銅版画。それぞれ異なるものを作るふたりの作品からともに浮かび上がるのは、対比と類似の妙ともいうべき「言葉」と「肉体」のイメージである。
▼ギャラリーほそかわ「福岡道雄展 ことばと文字-つくらない彫刻家のその後」(http://www.galleryhosokawa.com/)
▼高島屋大阪店のギャラリー(http://www.takashimaya.co.jp/osaka/event3/index.html)