カレーにヒ素「入れてない」林真須美死刑囚、家族の様子気にかける 毒物カレー事件25年

林真須美死刑囚
林真須美死刑囚

和歌山の毒物カレー事件で、殺人罪などで死刑が確定した林真須美死刑囚(62)はこれまで一貫して無罪を主張し、現在も再審請求中だ。事件は25日、発生から25年を迎える。

「絶対に(ヒ素は)入れていない」。今年6月、大阪拘置所の面会室で、林死刑囚は長男(35)に対し、改めて無実を訴えた。

長男によると、眼鏡をかけ、事件当時の写真よりもほっそりとした姿。15分程度の面会時間の中で、ほかの家族の様子を尋ねて笑顔を浮かべることもあったが、長男は「息子に弱った様子は見せまいと気丈にふるまっているようにも見えた」と振り返る。再審への期待の気持ちを打ち明けつつ、事件から25年となることに話題が移ると「この先どうなるんだろう」と漏らしたという。

和歌山地裁は平成14年に死刑を言い渡し、最高裁が21年に林死刑囚側の上告を棄却して確定した。

平成21年7月に再審請求を申し立てたが和歌山地裁と大阪高裁が退け、最高裁への特別抗告も自ら取り下げた。令和3年に申し立てた2度目の再審請求は、今年1月に和歌山地裁が棄却。即時抗告し、現在は大阪高裁で審理されている。

事件は平成10年7月、和歌山市園部の夏祭り会場でヒ素が混入されたカレーを食べた4人が死亡し、63人が急性ヒ素中毒になった。

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