築地市場跡地の再開発計画発表 商業施設や国際会議、プロ野球巨人の本拠地移転も取り沙汰

旧築地市場跡地に整備するスタジアムのイメージ(ONE PARK×ONE TOWN提供)
旧築地市場跡地に整備するスタジアムのイメージ(ONE PARK×ONE TOWN提供)

三井不動産を中心とする企業連合は1日、築地市場跡地の再開発計画の概要を発表した。5万人規模の多目的スタジアムを中核に商業施設やホテル、オフィス、住居などを整備し、スポーツイベントや国際会議で世界中の人が集まる「東京の玄関口」を目指す。一部施設を令和11年度に先行オープンし、主要施設は14年度に竣工する。

敷地の4割を緑化

「東京や日本の国際競争力を左右する重要なプロジェクトであり、身が引き締まる思いだ」。三井不動産の植田俊社長は1日に都内で開催した会見でこう意気込みを語った。

約19ヘクタールに及ぶ広大な敷地に総事業費9千億円を投じ、スタジアムや商業複合施設など計9棟を整備する。10ヘクタールのオープンスペースを設け、敷地の約4割を緑化するなど環境にも配慮する。

核となるスタジアムは用途に応じ、客席やフィールドの形状をスタジアム、アリーナ、劇場、展示場などに変えることができる。野球やサッカーといったスポーツにとどまらず、音楽イベントや展示会などの開催も想定する。

築地再開発の全体イメージ図(三井不動産提供)
築地再開発の全体イメージ図(三井不動産提供)

取り沙汰される巨人の本拠地移転

プロ野球巨人の親会社、読売新聞グループ本社が事業者に名を連ねたことで巨人の本拠地移転先とも取り沙汰されるが、読売の山口寿一社長は「移転を前提に検討していない。読売だけで決められることではない」と述べるにとどめた。

ホテルやオフィス、住居は、外資系や訪日外国人などをターゲットにしており、複数設けるホテルには「インターナショナルブランドが大きな候補に挙がる」(植田氏)という。

国内外から多数の観光客が訪れ、交通の要としての役割も担うことも想定する。自動運転車両や「空飛ぶクルマ」などが乗り入れる交通拠点を整備するほか、隅田川沿いには広域交通拠点を設ける。舟運施設に加え、将来的には地下鉄新駅や首都高の出口に接続する。トヨタ不動産の山村知秀社長は「まちづくりとモビリティーを結び付ける役割で計画に貢献したい」と語った。(重川航太朗)

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