プロ野球の広島、西武で活躍し、現在はクリケット日本代表として五輪出場を目指す木村昇吾(43)=ワイヴァーンズ=が9日、サンケイスポーツの取材に応じ、大谷翔平投手(29)=ドジャース=がスイング矯正の一環として使用したクリケットバットの効果を解説した。円柱形の野球のバットと異なり、ボールが当たる部分が平面になっていることから、手首を早く返してしまう悪癖などに効果があると明かした。(取材構成・伊藤昇)
大谷が練習に用いたことで一躍、脚光を浴びたクリケットバット。グリップ部分は野球よりやや太く、ミートポイントはブレードと呼ばれ平面になっている。プロ野球で長く活躍し、2018年にクリケットに転向した木村は「大谷選手はメジャーの本塁打王。何か言うのはおこがましいのですが」と前置きしつつ、スイングにどのような効果があるか解説した。
まず指摘したのが、手首が早く返る悪癖に効果的ということだ。
「クリケットはグラウンドの360度、どこに打ってもいいが、基本は縦振りのセンター返し。打撃面は平面なので、手首を返すとうまく当たらない。野球で引っ張り気味になっていたり、手首が早く返っているときには感覚が修正できると思います。逆方向へ強い打球を打ちたい時にもいい」
実際、大谷の3号ソロは今季初の左方向だった。次に木村が指摘したのが「打感の近さ」だ。