インド1の財閥、タタ・グループってどんな会社?

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財閥とはひとことで言うと「資本家一族による企業グループ」のこと。日本では戦前に、三菱や住友、三井などの財閥がありました。現代では韓国の、サムスンや現代(ヒョンデ)などの財閥も有名です。そんな財閥ですが、実はインドにもあるんです。今回はインドNo,1の財閥、タタ・グループについて紹介します。

目次

タタグループの基礎情報

黄色い5ドアハッチバックオンロード
タタ・モーターズの車

タタ・グループは、インド西部のインド最大の都市ムンバイを拠点とするインドの財閥。 タタは、ビルラ・リライアンスと並ぶ、インド3大財閥のひとつで、さらにインド最大の財閥でもあります。従業員数はなんと100万人を超えており2023年の売上は 279.27億ドル,日本円で4兆円(一ドル150円換算)を超えています。。インド国内でとても影響力が大きく、消費財から電力発電、サービスや小売業までタタ・グループが関わっていない分野はないと言っても過言ではないそうです。

タタ・グループの歴史

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現在のムンバイ

タタ・グループは1886年(インドがイギリスの植民地となった頃)に当時29歳だった創業者のジャムシェトジー・タタ氏がムンバイに設立した綿貿易会社が始まりです。その後、タタ氏は綿事業で大きな成功をおさめインド有数の資産家となり、また「インド産業の父」とも呼ばれるようになりました。タタ氏はその時代には珍しく企業の社会的責任を重要視し事業を拡大していきました。

タタ氏が1904年に亡くなると、彼の長男であるドラブ・タタ氏が後を継ぎました。二代タタ氏は鉄鋼、電気、教育、消費財、航空などの新産業に参入していきました。タタグループはその後5人の会長が率いていき現在の会長はナタラジャン・チャンドラセカラン氏というタタ家出身ではない人が会長になっています。

タタの中核グループ企業

タタは現在10の事業を行っており、その中でも、情報技術サービス・自動車・鉄鋼・エネルギー事業がタタグループの中核事業です。それぞれ紹介していきます。

タタ・コンサルタンシー・サービシズ

TATA コンサルティングのロゴ

タタ・コンサルタンシー・サービシズは、ムンバイに置くインド最大のITサービス企業です。世界46か国に60万人以上の従業員がおりタタグループの中で最も利益を上げている企業でもあります。2022年にはイギリスの格付け会社「Brand Finance」から「最も急速に成長するITサービスブランド」で2位の評価を獲得しました。

タタ・モーターズ

タタモーターズのロゴ

タタ・モーターズはインド最大の自動車会社であり、商用車(バス・トラック)部門は世界5位の規模を誇っています。タタ・モーターズはインド国内で商用車のシェア60%を占めていますが、乗用車に関してはシェア率が二位で一位は日本のスズキです。タタ・モーターズは世界の様々な自動車会社を吸収しており、例えば韓国の大宇自動車やイギリスのジャガーがタタの傘下になっています。

タタ・スチール

TATA Steel logo

タタ・スチールはインド最大の製鉄企業で、また世界五位の時価総額を誇る製鉄企業です。2000年代初頭は世界の中ではまだまだ存在感はありませんでしたが、の2007年、当時世界八位の規模を誇っていたイギリスオランダ系の製鉄企業のコーラス社を買収したことで大きく飛躍しました。タタ・スチールは大規模な製鉄プラント建設や自動車部品の供給だけでなく人々の身近にある家具やハードウェア製品に向けた商品も開発しています。

※タタ・スチールは2024年にイギリスの高炉休止を決めています。

タタ・パワー

タタパワーのロゴ

タタ・パワーは1910 年にタタ水力発電会社として設立された、インドの大手電力会社。発電、送配電、電子製品、サービスなど様々な事業を行っています。また、タタ・パワーは2017年インドで最初に太陽電池モジュール(ソーラー)を出荷しました。タタ・パワーはインドをインフラ面から支える重要な企業と言えます。

タタ・グループの企業倫理

タージマハルパレスホテル, 5星のホテル, ムンバイ
初代会長が作ったタージマハルホテル。インド人でもホテルに宿泊できるようにと作られた。

タタの経営理念は創業者の考えであった「企業の社会的責任」を大事にしています。企業の社会的責任とは、企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的に社会に貢献する責任のことです。植民地があった時代に作られた企業としてはとても進んだ考えであったと思います。現在もタタ・グループはこの考え方を大切にしており、グループ全体の利益の半分を社会貢献に充てています。このことからタタ・グループの社員は自分の仕事が結果として社会貢献につながっていることを実感することができ、社員にとって仕事が自分の存在意義や誇りを感じる場所となっているそうです。このような会社だから成長しているのだと思います。

これからのタタ・グループ

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2023年、タタ・グループがあるインドは世界一の人口(2022年に14億人)を抱える国となりました。しかし、インドはいまだ貧しい人が多くインフラ整備もあまり進んでいません。だからこそ成長の可能性を秘めています。そんな中、タタ・グループは半導体事業への参入を進めるなどまだまだ新たな事業に参入しようとしています。タタ・グループは、これからもインドの様々な産業のリーダーになっていくと思います。

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