#01 天使再臨

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 セカンド・シーズンがやっと開始されました。

 半年って意外に長いですよねぇ。


 ということで、当ブログも積極的に介入です。


 セカンド・シーズンの1話としては、非常に良い導入部だったのではないでしょうか。

 ファースト・シーズンの期待を裏切らない各キャラクターの「4年後」。

 アレハンドロ亡き後の世界が、どのような世情になっているかも、情報を小出しにしつつ徐々に視聴者に分からせるという構成がとられています。

 かなりの集中力を要しますが、その集中力の消費具合が劇場映画っぽくて良い。



 ただ...。


 これって「Ζガンダム」だよなぁ、とも思わせますね。


 カタロンはカラバ、ソレスタルビーイングはエゥーゴ、アロウズはまんまティターンズ。

 ファースト・シーズンにも旧作へのオマージュはありましたが、今シーズンのシチュエーションはオマージュとかいうレベルではなく、引用になっています。

 逆に言えば、「Ζ」を見ていれば状況を飲み込みやすいという、ある種のサービスなのかもしれませんが。



 というわけで、新キャラや新タームも色々と登場して、そこそこ難解になっている今回。

 ストーリーを丁寧に追ってみましょう。

 冒頭は、「レゾルス」が勧告もなく連邦の襲撃を受けたという場面から始まります。

 「レゾルス」は小惑星で、多くは語られませんがカタロンのアジトだったようです。


 襲撃したのは、アヘッドジンクスIII。ジンクス型の最新版です。

ジンクスIII


 この襲撃を行っているのは「アロウズ」という部隊で、今回はアーサー・グッドマン(多分大佐)が指揮を執っています。

 この人がアーサー・グッドマン。

アーサー・グッドマン


 その部下の渋い人がリー・ジェジャン中佐。中佐ということは、いわゆる副長ですな。

リー・ジェジャン


 アロウズは反連邦勢力撲滅の為の治安維持部隊で、所謂容認された過激派です。ティターンズとかなりイメージがオーバーラップしますね。



 一方、今回の襲撃対象である「カタロン」は、どうやらマリナの元を離れてゲリラとなったシーリンと、クラウス・グラードなる人物がトップに居るらしい。

 連邦の圧制的な平和維持に反逆する組織といったところでしょうか。この辺り、カラバやエゥーゴに近いイメージです。

 活動方針自体は、初期ソレスタルビーイングとは随分ベクトルが違うことに注意しなければなりません。


 服装以外あんまり変わっていないシーリン。

シーリン・バフティヤール


 新キャラのクラウス・グラード。

クラウス・グラード

 眼光が鋭く、カッコいい雰囲気です。名前からすると東欧系かと思いますが...。


 そのカタロンが今回進めているのは、ラグランジュ4にあるコロニー・プラウドで、高重力下での強制労働を強いられているメンバーの救出作戦です。


 その強制労働刑(?)に巻き込まれたのは、我らが沙慈・クロスロード君。

沙慈・クロスロード


 カタロンの関係者であるエディ・ミヤサカの素性がばれてしまい、同じ職場で働いていた沙慈はついでに連行されてしまいます。なかなか強引で素敵な展開(笑)。

 これにより、これまで日本という籠の中で生活していた沙慈を、いきなり戦乱の渦中に放り込むという展開がお見事。エピローグでのティエリアの、


「刹那に感謝するといい。彼が君をここに連れて来なければ、君は反連邦勢力カタロンとして処刑されていた」

「君は現実を知らな過ぎる!自分のいる世界ぐらい、自分の目で見たらどうだ!」


というセリフにリンクしていきます。



 色んな要素を散りばめた細かい場面はすっ飛ばすとして、ここより、カタロンがリアルドによるメンバー救出作戦が開始。

リアルド


 勿論、アロウズには既に情報が漏れていて、連邦新造航空巡洋艦がプラウドに向かいます。

 さらにその情報は王留美が既にキャッチしており、現段階でソレスタルビーイング唯一のガンダムマイスターである、ティエリアが動きます! 情報戦の様相が良いですね。

ティエリア・アーデ


「彼は来る...生きているならば、必ず」


とは、勿論刹那のことを指しています。一応、劇中では刹那は生死不明扱いですが、誰でも分かるところがナイス。



 時を同じくして、やっぱり生きていた刹那も行動を開始していました。

 どうやって情報を掴んでいたのかは、まぁ刹那だから、ということにして、さすがはゲリラ戦に長けた刹那だけあり、侵入も脱出もお手の物といった感があります。

 また、4年という歳月を経ただけあり、その技術もかなりの水準に達しているようです。多少苦戦してましたが。

刹那・F・セイエイ


 プラウドにおけるカタロンメンバーの救出作戦と殲滅作戦は、両者の成果が拮抗する事態に。

 巧いのは、刹那が介入しなかったならば、完全にアロウズの圧勝だっただろうということ。

 それに、現在の刹那は自分の意志によって行動しているということも見逃せません。


 アロウズは、タチコマみたいな新型オートマトンを投入し、凄惨な大量殺戮作戦を実行しますが、刹那はそういった非人道的行為が権力下で行われていること自体を嫌悪しているようです。

新型オートマトン


 この新型オートマトンを破壊していく刹那がカッコ良過ぎます。モビルスーツなしでもこれだけアクション面で魅せる主人公は、「ガンダムシリーズ」にあまりいなかったのではないでしょうか。

 この後、刹那が偶然沙慈を助けて、二人を引き合わせるのも、予定調和的でありつつ、もっと運命的な感じに昇華されているところがいいですね。


「変わってない!あの頃から、何一つ!こんなもの、求めていない!ロックオンも、俺も、こんな世界など!」


という刹那のセリフも、新シーズン到来を色濃く告げています。



 さて、アロウズには、もっととんでもない人が参加。

 この人です。ハレヴィ准尉。

ハレヴィ准尉

 しばらく顔を見せないのですが、「ハレヴィ」と聞いただけで誰でも分かってしまうところはご愛嬌。


 勿論、ルイスです。


 リジェネ・レジェッタに拾われて、こんなところでモビルスーツ乗りになっていたとは。

 ルイスはバラック・ジニン率いるジニン小隊に所属。アヘッドジンクスIIIの3番機に搭乗しています。


「戦場の空気を感じさせるだけでいい」


とか言われてるルイスですが、この辺はオマージュ精神バリバリですね。



 続いて、オートマトンを殲滅した刹那がガンダムを呼びますが、ここで登場したのは、OVA版ゲッターロボと化したエクシア!

ガンダムエクシア


 「Gガンダム」的でもある...。


 途端、「ハレヴィ准尉」がエクシアを見て過呼吸に。頭痛とか起こしてるし、強化人間なのでしょうか?

 「超兵」という強化人間の概念に対する一つの見せ方が既に提示されていますが、どういう方向性なのかが気になります。


 ところで、既にアヘッドジンクスIIIは第三世代のガンダムを凌駕しているらしく、無敵のエクシアも、散々な目に合ってしまいます。

 この戦闘シーンは非常に流麗で迫力があり、当シーズンの開始を待ち焦がれていたファンも納得ですね。

 刹那の目的が、はっきり「アロウズの駆逐」だと明言されるのも高ポイント。分かり易い主人公というのはいいものです。


 そこにセラヴィーガンダムを駆るティエリアが登場!

セラヴィーガンダム

 凄いGNフィールド!

 背中にガンダムの巨大な顔!

セラヴィーガンダム

 ますます「Gガンダム」的!素晴らしい!


 第4世代のセラヴィーガンダム介入により、戦況は一気にカタロン側に傾き、結果、カタロンのメンバーは少数ながら救出に成功したようです。

 シーリンは自分たちカタロンが武力介入されるのではと危惧。クラウスは「彼らは私たちと志を共にする者だよ」と応えます。これがどういう展開になるかは分かりませんが、クラウスはかなり達観した人物のようです。



 ここらで、今回行われた戦闘はひと段落。

 整理してみると...


 連邦のやり方に不満を抱く者が「カタロン」を組織し、連邦に反抗。

 その「カタロン」の存在を危惧した連邦は、撲滅部隊「アロウズ」を組織。そこにルイスが配属。カティやソーマも転属を命ぜられている。

 ソレスタルビーイングは「カタロン」に何となく加担する形になっているが、この時代の本来の行動理念は不明。


 こんな感じです。



 ラストには、刹那がガンダムマイスターだったことを知った沙慈が私怨をむき出しにしたり、そんな沙慈をティエリアが諭したりと、キャラのポジションを確認させるような場面が用意されています。

刹那・F・セイエイ

ティエリア「4年ぶりか。随分雰囲気が変わった」

刹那「そういうお前は何も変わっていない。あの頃のままだ」

ティエリア「よく言われる」


 このやり取り、ファースト・シーズンでは絶対出てこないやり取りです。

 こんなシーンに歳月の流れを感じさせるところはさすが。



 そして、ソレスタルビーイングに戻ってきた刹那が、ライル・ディランディなるカタロン構成員を、ロックオン・ストラトスとしてスカウトに来る場面で終了。

ライル・ディランディ

 そうです。やっぱり2代目ロックオン・ストラトスはライルなのでした。

 しかも、カタロンのメンバーとすることで、戦闘行為への導入も違和感なくバッチリ。さらに、ソレスタルビーイングとカタロンの関係をも暗示させています。

 いやぁ、2代目ロックオンの正体としては、非常に安易ですけど、なかなかの采配ではないでしょうか。



 それでは、その他のキャラについて連続で見ていきましょう。


 カティは声だけの登場。アロウズに転属が決まり、セルゲイに対する内通者としても機能させるようです。


 セルゲイはソーマと一緒に暮らしています。

ソーマ・ピーリス

 随分表情が柔らかくなりました。うん、やっぱりソーマ好きだなぁ(笑)。

 例の件って何だ?

 顔が赤いぞ?


 ラッセ生きてました。より頼もしい感じに。

ラッセ・アイオン


 フェルトが素敵な女性になりました。クリスの要素も兼ねているようですね。

フェルト・グレイス


 ミレイナ・ヴァスティなるキャラが新登場。イアン・ヴァスティの娘だと!

ミレイナ・ヴァスティ


 リボンズは「ルイス・ハレヴィ、良かったね。これで君にも戦う理由が出来た」と含みのあるセリフを。


 その頃のルイスは強化人間そのものの反応を示す。

ルイス・ハレヴィ


 リジェネ・レジェッタと王留美登場。「奇人」留美も大人な感じの「貴人」に。

リジェネ・レジェッタと王留美


 マリナ・イスマイール。あまり変わっていませんが、すっきりした印象に。

マリナ・イスマイール


 九条(スメラギ)とビリー・カタギリ(と思われる人物)。寝たのか(笑)?

九条(スメラギ)とビリー・カタギリ(と思われる人物)


 どこの誰かは知らないけれど、誰もが皆正体を知っているという、本末転倒な乙女座の人! 字幕ではビックリするようなネーミングに関するネタバレが(今は言及しませんが)。

乙女座の人


 アンドレイ・スミルノフ少尉。セルゲイの息子でアロウズ所属。

アンドレイ・スミルノフ


 アレルヤ? なぜ拘束服?

アレルヤ・ハプティズム


 ずらっと並べると壮観です。というより、よく実質20分弱に収めたものだ。