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2022/11/07

沢田研二と当時20歳の真田広之のキスシーンも話題に!幾度もリメイクされ、舞台化もされた名作『魔界転生』

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1981年に放送された『魔界転生』は、チャンバラ時代劇とオカルトホラーを融合させ、1度見たら忘れられないインパクトを残した。原作は山田風太郎の伝奇小説で、監督は『仁義なき戦い』やアカデミー賞最優秀監督賞を受賞した『蒲田行進曲』など数々の大ヒット作を生み出した深作欣二。"島原の乱"により、幕府への復讐のため、魔界の神に魂を売った天草四郎役を大スターの沢田研二が、剣豪・柳生十兵衛を伝説のアクションスター・千葉真一が演じ、千葉の門下生であり、まだ20歳だった真田広之や佳那晃子、緒形拳、若山富三郎、丹波哲郎などベテラン勢も含めた豪華キャストも話題となった。2003年には窪塚洋介、佐藤浩一らが出演したリメイク版が公開され、2018 年には舞台化、2021年には小池徹平と上川隆也らのキャストで再上演されるなど時代を超えて愛されているエンターテインメント作だ。"エロイムエッサイム"と黒魔術の呪文を唱えている姿さえも麗しい沢田研二とアイパッチをしているにも関わらず、キレッキレの殺陣と鋭い眼光で魅了する千葉真一。江戸城が迫力の炎に包まれるクライマックスのシーンはCGではなく、本当にセットに火を放ち、大炎上させているため、演者もスタッフも命がけだったとか。いろいろな意味でぶっ飛んでいて、刺激的な本作は大ヒットを記録した。

(C)東映

■沢田研二、千葉真一、佳那晃子、真田広之――。キャストの色気がハンパない

(C)東映

あの世から蘇り、徳川幕府に復讐を誓う天草四郎(沢田)は愛する夫への無念を残して死んだ細川ガラシャ(佳那)、柳生親子と剣を交えたかった宮本武蔵(緒方)、女性への煩悩が断ち切れない宝蔵院(室田日出男)、甲賀に襲われて生命を落としかけていた伊賀の霧丸(真田)を巻き込んで転生させ、幕府転覆を企む。

絶命しかけている霧丸に天草が「オマエが望むなら、この世に連れ戻してやる」と手の甲にキスをする場面や、妖艶にして自然な2人のキスシーンは当時、映画館に足を運んだ女子たちをキュンとさせた。そんな沢田研二と真田広之の絡みは今、見ると超レア。魔界から転生した者たちと偶然出くわした柳生十兵衛は後に父親、柳生但馬守(若山)も天草の誘いに乗ったことを知り、戦うことを決意するが、千葉真一も沢田研二とは違う意味のヒーロー然とした男の色気を漂わせている。そして、徳川家綱の側室となり、色仕掛けで将軍を骨抜きにするガラシャを演じる佳那晃子のあられもない姿、表情は魔性の女そのもの。キャストの存在感、艶っぽさも本作の魅力となっている。

■炎に包まれた江戸城での千葉真一と沢田研二の一騎討ちの圧がすごい

(C)東映

本作の見せ場はなんといっても魔界の者たちを剣1本で倒さんとする千葉演じる柳生十兵衛の凄みと火に包まれた城での一騎討ちのシーンだ。剣豪の息子と念願の一戦を交えるために魂を売った実の父親との戦いは燃え盛る炎もあいまってド迫力。一部始終を見ていた天草は不適な笑みを浮かべて、無敵な十兵衛を仲間に誘おうとするが、それに対して十兵衛が放つ台詞がまた男前である。尋常ではない炎の中、涼しげにさえ見えるダークヒーロー、天草と熱さに耐えながら無念の内に死んでいった者たちの魂を背負う十兵衛との一騎討ちの緊迫感。沢田研二と千葉真一のオーラに圧倒される。

文=山本弘子

放送情報

魔界転生(1981)
放送日時:2022年11月20日(日)13:00~
チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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