芸能界への電撃復帰を果たした俳優・坂口憲二がその魅力を最大限に発揮したドラマシリーズ「医龍」

3月末から放送中の「サントリー生ビール」のCMに登場。そして、ドラマ「風間公親－教場0－」(フジテレビ系)で電撃復帰した俳優・坂口憲二。2018年から国の指定難病である特発性大腿骨頭壊死症のために芸能活動を休止していた坂口だが、時を経てもなお変わらぬカッコ良さで、世間の話題を集めている。

1999年にファッション誌「MEN'S CLUB」でモデルデビューし、人気モデルとして活躍。モデル業と平行して、ドラマ「ベストフレンド THE BEST FRIEND」(テレビ朝日系)で俳優デビューを果たす。その後も「池袋ウエストゲートパーク」(TBS系)、「プライド」(フジテレビ系)、「最後から二番目の恋」(フジテレビ系)など話題作に多数出演。ワイルドなルックスと確かな演技力で、俳優として確固たる地位を築いていった。

そんな彼の代表作の一つが、ドラマ「医龍 Team Medical Dragon」(2006年フジテレビ系)だ。稲森いずみ、水川あさみ、小池徹平、阿部サダヲ、佐々木蔵之介、夏木マリら豪華なキャストが演じる魅力的なキャラクターと、医療問題に鋭く切り込む骨太のストーリーが好評を博しシリーズ化。第２シリーズが2007年、第3シリーズが2010年、第４シリーズが2014年と、４作品が制作された。今もなお続編を望む声が絶えない、大人気作だ。

本作は、坂口演じる天才外科医・朝田龍太郎が、拡張型心筋症に対する左室形成術の一術式"バチスタ手術"の成功に向け、優秀なメンバーを集め"チームドラゴン"を結成。大学病院の権威主義者たちと戦いながら、患者たちを助けていく医療ドラマとなっている。

坂口演じる朝田は、派閥に屈することなく、自分を貫くカリスマ性を持った天才外科医。難しいオペをスピーディーにこなしていく様がとにかくカッコ良い！　寡黙で一見冷たくも見えるが、患者を救いたいという強い思いを持つ朝田。屋上で上半身裸になって、オペのイメージトレーニングをする姿もインパクト大だ。坂口の鍛え上げられた肉体と真剣な表情、そして独特な動き。背中に負った龍の形をした火傷の痕さえも幻想的に見えてしまうから、不思議だ。また、チームメンバーの育成にも熱心で、特に新人医師・伊集院(小池)には目を掛けており、口では厳しいことを言いつつも、その言動は全て彼の成長を願ってのこと。こういった愛情深い一面もまた、朝田というキャラクターが愛される理由だろう。

47歳になった現在も変わらぬカッコ良さでファンを魅了する坂口。そんな彼の魅力をたっぷりと感じられるこの「医龍」シリーズは、彼を語るにおいて欠かせない名作だ。坂口の芸能界復帰という、うれしい発表が届いたこのタイミングで、ぜひチェックしてほしい。

文＝鳥取えり