静岡・丸子はとろろ汁が名物!静岡最古の店「とろろ汁の丁子屋」で実食レポート
静岡|【更新日】2023年7月27日
静岡県の丸子(まりこ)は東海道の歴史とともに歩んできた宿場町です。
自然薯をすりおろしたとろろを麦飯にかけたものを一般には「麦とろ」と言いますが、丸子では「とろろ汁」と呼ばれ親しまれています。
そのとろろ汁をいただけるのが、静岡県で最も歴史あるとろろ汁の店「丁子屋(ちょうじや)」です。
目次
静岡県・丸子で昔から食べられている”とろろ汁”
東海道20番目の宿場であった丸子(鞠子)宿。
栄養価の高いものを食べて、しっかりと体を休ませるために、滋養強壮に効果があるとろろ汁が当時より食べられていました。
その様子は松尾芭蕉翁、十返舎一九、歌川広重などが残した、さまざまな紀行物語や俳句、随筆、浮世絵に残されています。
創業400年以上!とろろ汁の老舗店「丁子屋」
「丁子屋」は県内最古のとろろ汁の店
「丁子屋」は1596年創業。江戸時代初期から400年以上続く、静岡で最古のとろろ汁の店です。
現在も当時と変わらぬ場所で店を営んでいます。1970年にかやぶき屋根を移築し、今の建物の様子となりました。
かつては十数店のとろろ汁の店が丸子にありましたが、時代とともに変化し、現在は「丁子屋」を含む5店のみが残っています。
『東海道五拾三次』で描かれた風景が、店が目指す理想
歌川広重の『東海道五拾三次』で、丸子宿を描いた180年前の「丸子名物茶店」が店が目指す理想の風景だという十四代目の柴山広行さん。
「描かれた茶店には、赤ちゃんをおんぶした私の何代か前のおばあちゃん、弥次喜多を思わせる旅人、自然薯生産者が描かれ、背景には丸子という地域があります。
丸子には今も変わらぬ人との繋がりと風景があって、この繋がりの中で丸子の風景を守っていくことが、自分たちの使命です。」と話してくれました。
地元農家の方と共に作る自然薯を使用したとろろ汁
店で使用している自然薯は、静岡の農家さんとコミュニケーションを取りながら栽培をしているそう。
品種の掛け合わせをしていない在来品種を用いているため、香りが強く、きめ細やかで上品な粘りが特徴です。
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おすすめメニューの「府中」を注文
おすすめの「府中(ふちゅう)」を注文しました。とろろ汁、麦めし、味噌汁、香物、薬味のセット「丸子(まりこ)」が定番メニュー。
府中にはそれに加えて、揚げとろ(海苔)1個、おかべ揚げ2個、珍味2種(取材時はむかごの梅肉和えと、駿河湾産しらすのくぎ煮)、甘味、フルーツが付きます。
揚げとろとは、すった自然薯を揚げたもの。おかべ揚げとは、お豆腐とすりおろした山芋を混ぜて揚げたものです。
食べ方を解説!「混ぜ混ぜ、ザーザー」が合言葉
メインのとろろ汁の食べ方は、おひつに入った麦めしを茶碗に半分ぐらいよそったところに、とろろ汁をたっぷりとかけ、お好みで薬味を乗せます。
この時、とろろ汁と麦めしに空気が含まれるよう、泡立てるようによく混ぜるのがおいしさの秘訣。ふわっと優しい口当たりになります。
ザーザーと音を立て、流し込むように食べるのが丁子屋流の食べ方です。
麦めしはおかわり自由ですが、十分な量が最初から入っていたため大満足でした。
栄養価が高く、腹持ちが良いのでお腹いっぱい
食後はここでお会計を済ませます。店内には歴史資料室も併設されているため、食事以外の楽しみ方もできました。
丸子で昔から食べられてきたとろろ汁。素朴でやさしい味わいながらも、お腹いっぱいで大満足でした。当時を偲びながら、歴史ある味を堪能できましたよ。
「丁子屋」が長い歴史の中で大切にしてきたこと
「長い歴史を築いてこれたのは、歌川広重の浮世絵にあるように繋がりを大切にしてきたからです。お客さま、スタッフ、自然薯農家さん、東海道含む地域の皆さま、家族、みんなが幸せだと思えることが大切です」と柴山さん。
浮世絵に描かれた旅人になった気分で、歴史ある味を堪能してみてはいかがでしょうか?
「とろろ汁の丁子屋」へのアクセス
- 【営業時間】
(平日)11:00〜14:00(L.O)
(土日祝)11:00〜15:00(L.O)/16:30〜19:00(L.O)
※毎週木曜定休(毎月末水曜、木曜のみ連休)
【住所】静岡県静岡市駿河区丸子7丁目10−10
【駐車場】バス3台、普通車80台
【公式サイト】https://chojiya.info
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。