1. 札幌芸術の森「有島武郎旧邸」/札幌市

札幌芸術の森「有島武郎旧邸」/札幌市

【投稿日】2013年11月08日(金)| 北海道発

大正ロマン漂う繊細な日本模様が施された洋風家屋

有島武郎旧邸

有島武郎氏は近代日本文学を代表する小説家。学習院中等科を卒業後、農学者を志し札幌農学校に進学。キリスト教の洗礼を受けアメリカに留学、ヨーロッパ巡歴、帰国後白樺派の創立三画を経て妻と父親が死去すると本格的作家活動に入る。社会主義に共鳴し、北海道の有島農場を小作人へ開放。最晩年は虚無的となり、人妻の婦人記者波多野秋子氏と軽井沢で心中した。

代表作「カインの末裔」「生れ出づる悩み」「或る女」「惜しみなく愛は奪う」などがあるがそのほとんどが北海道・札幌を舞台にしている。昭和63年(1988)に公開された映画「華の乱」では有島を松田優作氏、波多野秋子を池上季実子氏が演じ、主人公、吉永小百合氏演じる与謝野晶子の視点から当時の群像を描いている。

有島氏は札幌永住を決意し木造2階建て、10の部屋を持つ洋風の家を新築したが、完成翌年、妻が病に倒れ実際に暮らしたのは1年足らず。以後この建物は幾度かの変遷を経て北海道大学の所有となり、職員や大学院生の寮として利用された。昭和58年(1983)の廃寮に伴い「札幌芸術の森」内に移築され、有島武郎氏に関する資料の展示室となっている。自ら設計・構想した邸宅は随所にこだわりがあり、給仕があったと思われる小窓があるなど、愛妻安子との生活を大切にしていたのを感じ取れる建物。

ここでは有島が描いたポストカードを販売している。専門スタッフが説明してくれて、お茶を飲むスペースもある。

【住所】北海道札幌市南区芸術の森2丁目75
【交通】地下鉄:南北線真駒内駅下車中央バス芸術の森入口停留所下車約17分
【駐車場】あり(普通車1回1台500円、大型車1回1台1200円)
【開館時間】9時45分~17時(6月1日~8月31日は17時30分)※入館は30分前まで
【定休日】4月29日~11月3日の間無休
     11月4日~4月28日は月曜日休館※月曜が祝日の場合は翌日火曜日休館
     ※美術館の休館日に準ずる※展示替え期間は閉館
【料金】無料
【問い合わせ】011-591-0090/札幌芸術の森
【備考】URL http://artpark.or.jp/

【投稿日】2013年11月08日(金)【投稿者】たびらい編集部

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