――デビューのきっかけは?
2000年の東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を頂いたことがきっかけです。
――東宝シンデレラオーディションは前から受けようと思っていたんですか?
オーディションを受ける前に、私の地元に新しいホールができるということで、こけら落としとして市民でミュージカルをやることになったんです。そのために劇団が設立され、友達に誘われたので入ったんですけど、主役のシンデレラを演じさせて頂けることになって。それがきっかけでお芝居って楽しいなと実感して、こういう世界もイイなぁと思いました。そんなときに、母が新聞で東宝シンデレラオーディションの記事を見つけて、応募してみました。
――お母さまが見つけてくれたんですね。
前から「やりたい!やりたい!」と話していたんで(笑)。

――オーディションが進むに連れて、『これはイケるかも!』という手ごたえは?
なかったですね・・・。オーディションはリハーサルと本番の2日間で、リハーサルの日は演出家さんたちに演技を見てもらうレッスンがあるんですけど、そこで全否定されてしまいました(笑)。当時13歳だったということもあって、どうしていいか分からずにワンワン泣いて(笑)。その時は『あぁ、ダメだなぁ。』と思いました。でも、リハーサルが厳しかったのは本番にどう変わるかを見るためのものだったようで、器械体操をやっていたせいか凄く負けず嫌いだったので、その演出家の先生を見返してやろうと思い頑張りました。『絶対に落ちたくない!』って(笑)。
――オーディションに受かって、周りのお友達やご家族も驚かれたんじゃないですか?
そうですね。私の友達も芸能界に憧れているコが多かったので、驚いてました(笑)。なにより3万5千人の中から選ばれたので、自分自身もびっくりしました。

――初めてのお仕事のことは憶えていらっしゃいますか?
事務所の先輩の高嶋政伸さんが出演された2時間ドラマで、阿波踊りを踊る女のコの役でした。たまたまオーディションでも阿波踊りを踊ったんですよ(笑)。素に近い役だったんですが、凄く緊張したのを憶えています。瞬きが異常に多かったりとか(笑)。あと、『ドラマってこんなに時間をかけて撮るのに2時間なんだ・・・。』と思いました。
――その後も数々のお仕事をされてますけど、大変だなぁと思ったことは?
毎回大変だなぁと思います。この仕事ってこんなに大変なのに、何で私はやりたいんだろうって(笑)。冬でも薄着で撮影しなくちゃいけなかったり、寒い中で雨を降らされたりとか・・・。でも、大変だからこそ達成感や充実感があると思うし、それを乗り越えたときの嬉しさがあるから辞められないんですよね。
――肉体的につらいことが多いんですね。
それももちろんありますけど、舞台などで大きな役を頂いて嬉しい反面プレッシャーがあったり、みんなの期待に応えなくちゃと思ったり・・・。昔から、人と比べてしまうクセがあったんで、最初はオーディションにもなかなか受からないことがあったんです。他の人と比べてしまって、『ダメだぁー。』って。

――そういったプレッシャーを押し返す秘訣はあるんですか?
最初の頃はオーディションがある度に凄く緊張していたんです。そんな時に母が、「緊張するっていうのは、自分を今以上に良く見せようと思うからだよ。」と言われて、確かにそうだなぁって。受かりたいから、他の人に負けたくないから、『自分をよく見せたい!』と思うじゃないですか。何かに失敗することを考えて、緊張するんですよね。器械体操をしていた時に、『ここは失敗しちゃダメだ・・・。』って考えると技が乱れて得点に結びつかなかったりしていたので、自信を持って『私はここまでしか出来ないですけど、どうですか!?』という気持ちでいけば良いんじゃないかと切り替えてから、だんだんオーディションに受かるようになりました。ちょうどその境目が『ショコラ』(TBSドラマ)や『シンデレラストーリー』(舞台)で。
――どちらも大役ですよね。
そうですね(照笑)。
――この仕事をしていて、良かったなと思うことはなんですか?
私は仕事が趣味なので、いつもそう思っています。オフの日があっても、自分の好きなお芝居を観に行ったりとか、体作りのためにヨガに行ったり。母にも「他の趣味を作りなさいよー。」って言われるんですけど(笑)。
――楽しみながら仕事が出来るのは最高ですよね。
20歳になるまでは、“仕事”という感覚はなかったんですよ。ただ楽しくて、皆に自分のことを知ってもらいたいという思いだけだったんですけど、最近は『この仕事をしてお金を頂いているんだから、もっと頑張らなきゃ。』と思うようになりました。