クフ王の「太陽の船」引っ越し…建設中の大エジプト博物館で展示へ
2021年8月11日 19時39分
◆全長42メートル 古代エジプト副葬品の木造船
【カイロ=蜘手美鶴】古代エジプトのクフ王(在位・紀元前2589~同2566年)の副葬品である大型木造船「太陽の船」が、カイロ近郊ギザで建設中の大エジプト博物館に移送され、10日報道陣に公開された。
船は全長約42メートル、重さ約20トン。1954年にギザで発見後に復元され、クフ王のピラミッド脇の博物館に展示されていた。展示状態が悪かったことなどから、新博物館の建設に合わせて展示先を変えることになり、専用の台車に載せられ約2・5キロ先の新博物館へと運ばれた。作業は慎重を期して約48時間かけて行われた。
◆今後は復元中の「第2の船」も移送
太陽の船は建設中の太陽の船専用の大型施設に搬入され、今後は日本チームも参加して復元中の「第2の太陽の船」も同じ場所に移される予定。第2の船は復元完了までに数年かかるとされ、新博物館では第2の船が復元されていく様子が見られるという。
太陽の船は、古代エジプト王ファラオが死後も旅ができるようにと、ピラミッドなど王の墓近くに埋葬された木製の船。ファラオは太陽神ラーの子で、死後も永遠に生きるとの信仰に基づいている。
関連キーワード
おすすめ情報