ベラルーシで同盟国ロシアの核配備が可能に 国民投票で憲法改正承認

2022年2月28日 20時04分
ロシアのプーチン大統領と共同会見後に握手するベラルーシのルカシェンコ大統領㊧(2月18日、モスクワでAP)

ロシアのプーチン大統領と共同会見後に握手するベラルーシのルカシェンコ大統領㊧(2月18日、モスクワでAP)

 【モスクワ=小柳悠志】旧ソ連構成国のベラルーシで2月27日、核兵器保有などに向けた憲法改正の国民投票が行われ、中央選管によると賛成票が賛成多数で改憲案は承認された。現行憲法の「非核地帯でかつ中立国」とした条項が削除され、同盟関係にある隣国ロシアの核兵器配備が可能になる。選管は3月3日、結果を正式承認する。
 ロシアのプーチン大統領はベラルーシのルカシェンコ大統領と「反欧米」を掲げて関係を深めており、ベラルーシへの核ミサイルの配備をちらつかせて、欧米の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)をけん制する構え。ルカシェンコ氏も2月27日、NATO加盟国の隣国ポーランドやリトアニアに核兵器が配備された場合は、ロシアに核兵器提供を要請すると述べた。
 旧ソ連では、ロシアのほかベラルーシ、ウクライナに核兵器が配備されていたが、ソ連崩壊後にロシアに核配備が集約された。約30年ぶりにベラルーシに核が戻れば、欧州の安全保障に大きな影響が出るのは必至だ。

◆ロシアも核抑止力部隊厳戒態勢に ウクライナを揺さぶり

 プーチン氏は27日、NATO加盟国の米欧首脳らが、ロシアに対して攻撃的な発言をしているとして「核抑止力部隊」を厳戒態勢に移行させるようショイグ国防相に命じた。対ロ制裁を強化した米欧やロシア軍に抗戦するウクライナを揺さぶる狙いとみられる。
 ロシアの軍事ドクトリンは、核兵器使用について「敵の核・通常兵器によってロシアが危機に陥った場合」など厳しい条件を定めており、他国の首脳発言を理由にした核攻撃は想定されていない。

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