吉原の弁天池 震災100年機に 整備へ資金募る

2023年3月26日 06時40分

「コイが泳ぎ、滝が流れる池を名所にしたい」と話す吉原さん=東京都台東区で

 百年前の一九二三年の関東大震災で起きた火災から逃れようと、現在の東京都台東区千束にあった吉原遊郭の遊女ら約六百五十人が、近くの弁財天の池に飛び込んで亡くなった。その記憶を今に伝える池を震災百年の節目に整備しようと、地元有志でつくる吉原弁財天奉賛会が資金を募っている。
 弁財天境内にある弁天池にはニシキゴイ十数匹が泳ぐ。奉賛会の吉原達雄会長(80)によると、元の池が埋め立てられた直後の一九六〇年ごろ造られた。経年劣化で漏水箇所があり、人工滝の水も止まったままだ。
 地元町会などが九月一日に開く慰霊祭を前に、池の拡張、防水などの工事を計画する。近くの吉原神社で奉賛金を受け付け、金文字の限定御朱印(二千円)も頒布する。長年、吉原の街おこしをしてきた吉原さんは「最後のひと踏ん張りに挑戦したい」と話す。問い合わせは、奉賛会のメール=bupolilang292@gmail.com=へ。(小形佳奈)

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