ビックリ!実は…ビルばあさん 大往生のハシビロコウ、メスと判明 伊豆シャボテン動物公園 

2020年9月3日 07時20分

死後の解剖で卵巣があるのが見つかりメスだとわかったハシビロコウの「ビル」=伊東市の伊豆シャボテン動物公園で

 「ビルじいさん」ではなく、おばあさんだった−。伊東市の伊豆シャボテン動物公園で、じっとしていて動かない珍鳥として人気を集め、世界最高齢といわれながらも8月に大往生を遂げたハシビロコウの「ビル」に、死後の解剖で卵巣があるのが見つかった。同公園は「実はメスだった」と発表した。(杉本三佐夫)
 ハシビロコウはアフリカ・ウガンダのビクトリア湖周辺に生息するペリカンの仲間で、平均寿命は30〜40年とされる。
 ビルは1971年に来日、進化生物学研究所を経て81年に、メスとのつがいのオスとして2羽同時に同公園に移された。「ビルじいさん」の愛称で長年親しまれたが今年8月6日に死亡。老衰だったと見られている。推定年齢50歳以上で、人間の年齢に換算すると100歳以上の長寿だった。
 ハシビロコウは、オスの方がメスよりも平均して大きいという以外に、外見上に雌雄の差がなく、性別を判定するのには採血や組織の採取を行うしか方法がなかった。
 同公園では、園内で自由に暮らす高年齢のビルを捕獲することで、ビルの体に負担がかかり、さらには長年培ってきた人間との信頼関係も損なう恐れもあるとして、あえて遺伝子検査を行ってこなかったという。
 驚きの新事実に、同公園の中村智昭(ちあき)園長は「来日した50年前は検査もせず、仲良くしているからペアだと思ったのでは。つがいで来園し、先にメスが死亡したので、残りの1羽がオスだ、という判断で引き継いできた。動物学的にはさほど珍しいことではないが、お客さまを混乱させて申し訳ない」などと説明している。

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