小柴昌俊さんと師弟でノーベル賞の梶田隆章さん「全てを教えていただいた。つらい」
2020年11月13日 20時40分
12日に死去した小柴昌俊さんの研究を発展させ、2015年にノーベル物理学賞を受賞した東京大宇宙線研究所の梶田隆章所長は13日、千葉県柏市の同研究所で「研究者として全てを教えていただいた。つらいですね」と語った。
◆昼は作業、夜は宴会 弟子を育て
師匠としての小柴さんは「怖い面も。真っすぐ頑固。研究は時間がかかるが、フラフラしていると成果は出ないと態度で教えてくれていた」という。
カミオカンデの建設が始まると鉱山の寮に泊まり、昼は作業、夜は宴会だった。「研究を離れると、いろいろと弟子のことを考えてくださった」
◆ノーベル賞の知らせは家族より先に
観測開始後、小柴さんはいち早くニュートリノに着目した。「何が大切か見抜く力が大変強かった。私たちは言われたレールを進んでいった」
梶田さんは自身がノーベル賞を受賞した時、家族より先に小柴さんに電話で伝えた。「『よかったね』とひと言。自分が神岡で始めた研究が発展したことを喜んでいるんだと感じた」と振り返り、「ニュートリノ研究をさらに発展させないといけない」と誓った。(森耕一)
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