出会えたら奇跡!?超希少石ユークレースの特徴から魅力まで詳しく解説

「ユークレース」という宝石をご存じでしょうか?無色や青色をした美しい宝石ですが、非常に産出量が少なく加工が難しいため、めったに市場に出回らないレアストーンです。

そのため宝石コレクターでも所持している人は少なく、「見かけたら買うべき宝石」といわれるほど人気があります。

この記事では、そんなレアストーンのなかでも特に希少なユークレースについてご紹介します。20年以上天然石の卸売に携わる宝石のプロTOP STONEが、特徴から魅力まで詳しく解説していきます。ユークレースをお探しのコレクターの方も、ユークレースの名前を初めて聞いた方もぜひチェックしてみてください。



1.宝石・ルースとしてのユークレース

まずはユークレースの特徴や品質など、基本的な情報をご紹介します。とても希少な宝石なので、詳しく知る人は少ないかもしれません。一緒にユークレースがどのような宝石なのか見ていきましょう。

■高品質なユークレースとは

ユークレースは産出量がきわめて少ない希少石中の希少石です。ユークレースの品質は、カラーや透明度、カラット、カットなどを総合的に見て決められます。高品質なユークレースに出会うのは奇跡的な確率といえるでしょう。

カラー

ユークレースは多くの結晶が無色です。混入する不純物の成分によって青色や緑色、黄色、ピンク色、白色などさまざまな色に変化します。色が鮮やかで美しく発色しているものほど価値が上がります。

特に美しいのは青色で、淡い青色の涼し気なカラーから海のような深い青色まで非常に人気があります。全体が青色のルースはめったになく、希少価値が高くなります。

また、ピンク色は2015年に初めて発見された新しい色のユークレースで、青色よりもさらに希少です。

なかには一つの石に無色と青色、無色と黄色など、2色以上が混ざっているバイカラーもあります。バイカラーのユークレースも個性的な色合いが唯一無二で人気です。

透明度

ユークレースはインクルージョン(内包物)が入りやすい石です。水晶やベリルなどと同じケイ酸塩鉱物の一種であるユークレースは、成長過程においてさまざまな不純物を含みやすい性質を持っています。そのためインクルージョンが少なく、透明度が高いものは希少で高い価値があります。

カラット

カラットは宝石の重さのことです。1ct(カラット)は0.2gに相当し、カラットが大きいほど高く評価されます。

ユークレースは産出量が少なく非常に割れやすい性質を持つため、大粒で品質の高いものが産出することはまれです。そのため、大粒で美しいユークレースは非常に希少価値が高くなります

カット

ユークレースは性質上、非常にもろく割れやすいため加工が難しい石です。高い技術を持つ熟練の職人のみが、ユークレースに適切なカットを施すことができます。美しくカットされたユークレースのルースは、きわめて希少で高い価値があります。

■ユークレースの輝き

    品質の高いユークレースは美しく繊細な輝きを放ちます。しかしユークレースは産出量自体が少ないうえ、宝石品質のものが産出することはめったにありません。専門家や宝石コレクターでも実物を見たことがある人は少ないでしょう。

    割れやすいため取り扱いや加工が難しいのも大きな特徴です。カットされたルースやジュエリーはなかなか見られません。

    ごくまれに美しくカットされたルースに出会えることもありますが、きわめて希少なため高い値段がつけられていることも多いでしょう。それでもその希少性の高さと繊細な美しさから、人気と注目が高まっている宝石です。

    ■ユークレースの魅力

    きわめて流通量が少ないレアストーンであり、もろく割れやすいユークレースは、その儚ささえも魅力です。めったに出会えず、慎重に扱わなければ簡単に割れてしまう繊細な宝石だからこそ、「いつか出会ってみたい」「コレクションとして大切にしたい」と探し求めるコレクターも少なくないはず。

    美しい青色をはじめ、無色や緑色、黄色など石によってさまざまな表情を見せるのも、人々を惹きつける理由のひとつといえるでしょう。

    ■ユークレースの産地

    ユークレースの主な産地はブラジル、コロンビア、ジンバブエなどです。日本でも岐阜県中津川市の福岡鉱山で微細な結晶が見つかったことがあります。ただし、宝石品質のユークレースが産出することはごくまれです。

    ブラジル産のユークレース

    宝石品質のユークレースが産出する地域が限られる中、筆頭の産地はブラジルのミナスジェライス州のオーロプレートとリオグランデ・ド・ノルテ州です。ミナスジェライス州はインペリアルトパーズの産地としても知られています。

    ブラジル産のユークレースは無色や淡い青色の結晶が多いのが特徴です。完全な青色の結晶が産出することはまれですが、なかには結晶の一部が青色や緑色をしているものもあります。

    コロンビア産のユークレース

    エメラルドの代表的な産地であるコロンビアのチボールやガチャラ鉱山の一部からは、濃い青色のユークレースが見つかっています。温度環境の違いがエメラルドとの形成のきっかけを分けたと考えられています。

    2.鉱物・原石としてのユークレース

    Wikipedia掲載画像
    Rob Lavinsky, iRocks.com – CC-BY-SA-3.0, CC 表示-継承 3.0,
    https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10120580による

    ユークレースは原石によって色や形がさまざまで、鉱物的にも大変魅力的な石です。ここでは鉱物としてのユークレースについて詳しくご紹介します。

    ■組成について

    英名 Euclace(ユークレース)
    和名 ユークレース
    成分 AIBe [OH | SiO4]
    結晶系 単斜晶系
    モース硬度 6.5~7.5
    比重 3.05~3.10
    屈折率 1.65~1.67、1.65~1.68
    劈開 一方向に完全
    主な産地 ブラジル、ロシア、タンザニア、コロンビア、ケニア、 イタリア、ドイツ、インド、ジンバブエ

    ユークレースはベリリウムを含む珪酸塩鉱物のひとつです。モース硬度は6.5~7.5と高めで表面に傷はつきにくい一方、劈開性(一定の方向に対する割れやすさ)が完全のため、もろく割れやすいのが特徴です。

    保管の際も衝撃を加えたり、他の宝石が当たったりしないよう取り扱いには十分注意しましょう。

    ユークレースは無色から青色、緑色、黄色、ピンク色、白色までさまざまな色の石があります。含まれる不純物の成分によって色合いが変化し、鉄とチタンが含まれると青色に、クロムが含まれると緑色になると考えられています。ただし、産出量の少なさから発色の原因はまだ十分に解明されていません。

    また、複屈折性があるためわずかですが多色性も持っており、見る角度によって微妙に色が違って見えることもあります。

    ■原石の形状

    ユークレースの原石は菱形の断面を持つ柱状結晶をつくり、柱面には平行に条線が発達しています。結晶の端面は山形で複雑な面を持つのが特徴です。塊状や繊維状でも産出します。

    無色の結晶に青色が帯状に入っているものもあり、青色の部分に沿って割れやすい性質があります。

    低温の熱水鉱脈や花崗岩ペグマタイト、 結晶片岩の中で見つかります。トパーズやベリルなど他の鉱物とともに産出するのが一般的です。河床礫にも存在します。

    ■原石コレクターからみた魅力

    希少石中の希少石であるユークレースは、原石コレクターにとって憧れの石です。「一度は現物を見てみたい」「いつかはコレクションに加えてみたい」と願うコレクターが多いでしょう。

    また、ユークレースの原石は色や形がさまざまです。さわやかな水色のものもあれば、海のような鮮やかな青色が美しいもの、白と青色が混ざった幻想的なものまで多種多様な原石があります。一つひとつに個性的な魅力があり、自分に合った運命のひとつを見つけるのもコレクターの楽しみです。

    ■鉱物としてのユークレース

    ユークレースは発見当初は色や形、硬度などが似ていたことからアクアマリンと考えられていました。しかし、非常にもろく割れやすい性質に疑問を持ったフランスの鉱物学者ルネ=ジュスト・アウイが1785年に研究を開始。鉱山情報や試料が十分にない中、結晶の分析には苦労したと伝えられています。

    ルネ=ジュスト・アウイは希少石「アウイナイト」の名前の由来となった偉大な学者で、鉱物学の歴史上最重要人物のひとりです。そんなアウイの研究によってユークレースはアクアマリンとは異なる新鉱物であることが判明。1792年にギリシャ語の「eu(良く)」と「klasis(壊れる)」に由来して「Euclace(ユークレース)」と名付けられました。

    3. ユークレースをより楽しむために

    ユークレースはレアストーンゆえに、まだ広く知られていないさまざまな魅力があります。この機会にユークレースの魅力を深掘りしていきましょう。 

    ■ユークレースのカット加工

    ユークレースは「職人泣かせの宝石」といわれるほど割れやすく、複雑なカットが難しい石です。しかし近年はカット技術の向上により、加工してジュエリーとして扱われることもあります。

    素人が磨くと割れてしまうおそれがあるのでおすすめできませんが、ユークレースの特性を理解した熟練の職人であれば、その石に合った適切なカットを施すことができます。

    ユークレースはカットしたり磨いたりすると、キラキラと美しく輝きます。カットの種類やカラーによって輝き方が変化するのも魅力です。

    ■コレクションやお守りとして

    ユークレースは割れやすいため日常使い用のアクセサリーにはあまり向きません。鑑賞用やコレクション、お守りなどのためにカットルースや原石を探す方が多いようです。

    ユークレースは明るくポジティブなエネルギーに満ちた石で、不安や恐怖、悲しみ、怒りなどのマイナスの感情を和らげ、日々の幸福感を高めるといわれています。また、大きなチャンスや奇跡などを引き寄せるパワーが強い石としても知られています。

    前向きな気持ちになりたいときや新しいことを始めるときに、お守りのように持っておくと力になってくれるかもしれません。


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    ▼鑑別・ソーティングについては以下ページにて詳細をご確認いただけます

    https://www.topstone.jp/help/faq


    4. まとめ

    希少石の中の希少石、ユークレース。地球上にごくわずかしか存在しないうえに、割れてしまいやすいユークレースにもしも出会えたら、それは幸運と偶然が重なった運命の瞬間といってもよいでしょう。

    そんな奇跡の出会いを願いながら、ユークレースに想いを馳せるのも悪くないもの。この記事をきっかけにユークレースに興味を持っていただけたら幸いです。

    この記事を書いた人

    ほしあゆみ

    TOP STOneRY / 編集部ライター

    トップストーン編集部がお届けする「トップストーリー」メディアでは、古くから愛されている誕生石の歴史やエピソード、最新のレアストーンの特徴、宝石の楽しみ方をわかりやすく解説しています。「天然石の魅力をもっと多くの方に知ってもらいたい」という想いで、個性溢れるライターが情報発信しています。


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