健康一口メモNo226
風邪で死んでしまう？
〜劇症型心筋炎の場合〜

大泉記念病院　宮崎　泰輔先生

　「風邪は万病のもと」と言いますが、正確には命にかかわる感染症の始まりのことがあるということです。風邪の症状があり、病院で薬を出されても改善しない時は再度病院を受診し、肺炎、胸膜炎、髄膜炎、脳炎などの診断がつけばそちらの治療に移行することになります。
　しかし、心臓の感染症の一つである心筋炎の中でも劇症型心筋炎はあっという間に死亡してしまうことがあります。風邪をひくたびに皆さんはそのような病気を心配はしていないと思います。まれな病気であるからです。
　では、かかってしまった場合は、「あきらめるしかないのか」というとそうでもありません。 胸が苦しい、血圧が低い、顔色が悪い、脈がとても速いか、逆にとても遅いなど、「いつもの風邪と違う」という感じがあれば主治医の先生にそれを訴えることです。
　劇症型心筋炎は、いったん発症すると病院にいても、緊急で人工呼吸、体外循環（ほとんど収縮しなくなった心臓が回復するのを1〜2週間、待つことができます）をタイミングよく装着しなければ助かりません。
　劇症化する前の心筋炎の段階で見つけてもらうことが大事です。単なる風邪に左記症状などがあり、「いつもと違う」と感じられれば、心電図をとってもらいましょう。
　この段階で診断がつけば、劇症化に備えることができます。

休日当番医（内科・外科・歯科）　3月1日〜4月5日

　がんは、高齢者の増加、生活様式の変化に伴い、罹患者数、死亡者数が増加しています。
　しかし、胃がんについては、食生活等の変化、医療の進歩により罹患率、死亡率ともに減少していますが、何よりも「早期発見・早期治療」が大切で、そのきっかけが検診です。自覚症状がなくても定期的に検診を受け、がんから身を守りましょう。