写真:土庄 雄平
地図を見る百名山「大台ヶ原」を主峰とする台高山脈。三重県と奈良県の境界に位置し、紀伊山地とともに近畿の屋根を形成しています。
今回紹介する高見山は、その代表的な峰の一つで、関西のマッターホルンと称される名山。そんなこの山が最も賑わう時期は冬。なぜなら、後程紹介するように、関西有数の霧氷の絶景が見られるから。
写真:土庄 雄平
地図を見るそれを象徴するのが、1月から3月限定で奈良交通から運行する「霧氷バス」!近鉄の榛原駅から高見山登山口まで繋ぐ1日2往復のバスで、冬季の高見山登山に欠かせない存在になっています。
バスに揺られること1時間、高見トンネル手前のバス停を降りると、そこは白銀世界。たくさんの登山客とともに、雪山ハイキングのスタートです!
なお車でもアクセス可能ですが、高見トンネル付近は積雪も多く、凍結しているため、チェーンが必須!たかすみ温泉から往復ピストンの場合、スタッドレスタイヤがあればアクセスできます。
写真:土庄 雄平
地図を見る前半は道が狭く、雪を被った木々のトンネルや、まるで水墨画のような杉の景色が続きます。雪がない時期とは違って、山の神秘性がいっそう高まる冬。ひたすらに美しい景色と静謐な時間を味わいながら進んでいきましょう!
高見山の登山道は緩い上りが続き、道も明瞭。そして冬季には登山者も多いため、迷う心配はないので安心です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして進むこと1時間半で高見山の核心部への入り口である「小峠」へ!気候条件が良ければ、この時点で霧氷が見られます。
霧氷とは、空気中の水分が過冷却されて、木々の枝に付着する現象。その美しさから「冬の芸術品」と称され、雪山ハイカーに親しまれています。
写真:土庄 雄平
地図を見る小峠を越えれば、先ほどまでの穏やかな杉林から、風が吹き抜けるブナ林へ一変します。そして進む道の先には、霧氷のトンネルが!一帯を覆い尽くすように、純白の木々が続きます。周囲を漂う霧と相まって、その佇まいはより幻想的に!普段は味わうことのできない非日常の冒険を堪能しましょう。
写真:土庄 雄平
地図を見る上へ上がっていくにつれて、風も寒さも厳しくなります。台高山脈の一角でありながら、独立峰のようなロケーションを有す「高見山」の冬季は、標高が近い周囲の山に比べて一段と厳しいのが特徴です。
そのため、山頂周辺には立派な霧氷が形成されるのですが、木々が少なくなる山頂周辺の稜線では、今までと違う雪山の隔絶した世界。−10℃といった気温も普通なので、防寒・防風対策をしっかり行ってくださいね!バラクラバ(目出し帽)は必須です。
写真:土庄 雄平
地図を見るそして小峠から1時間ほどで山頂へ到着!山小屋があるので、その中で一息つくのがオススメです。お昼は事前に持参して、ここで摂るのがベターでしょう。
そして、山小屋の周囲には、美しい霧氷のパノラマが広がります。運が良ければ青空に映える霧氷の景色、冬の高見山は荒れることも多いものの、ガスが漂う霧氷の景色もまた一興です。
写真:土庄 雄平
地図を見るなお高見山の山頂小屋から少し戻った場所には、同じく吉野の竜門岳など奈良〜三重にまたがる峰々をバックに、美しい霧氷をU字形に見渡すポイントが!まさに冬の高見山を象徴するパノラマと言えるでしょう。
そして、ここに白く咲く霧氷たちは、春になると百花繚乱咲き誇る「吉野の桜」を彷彿とさせます。春のイメージが強い吉野ですが、実は冬にも花見を満喫することが可能です。きっと寒さを忘れて見惚れてしまうこと間違いなし!
写真:土庄 雄平
地図を見る霧氷バスで訪れた方は、山頂を越えれば、行きとは逆方向の「たかすみ温泉」を目指しましょう!霧氷バスで訪れた登山客はみんな同じ道を辿るので、迷う心配はありません。
眺望は基本的にないものの、雪山の美しさを最後まで味わうことができます。風により雪粉が舞うシーン、太陽に照らされて霧氷の白さが一層際立つシーンなど、情緒抜群です。
下山後「たかすみ温泉」で一息つく時間は至福のひととき。霧氷バスの利用者は割引もあります!また、帰りのバスを逃さないようにだけ気を付けて下さいね。
写真:土庄 雄平
地図を見る冬の名山として全国的に知られる奈良県吉野の「高見山」。急激に冷え込んだ日の翌日に登山を行えば、そこには息を呑むほどの美しい霧氷のパノラマが広がります。奈良や三重の峰々を背景に、純白に咲き誇る佇まい。その姿はさながら、冬に満開を迎える桜のようです。
春の桜で有名な吉野ですが、実は冬の花見も絶景!防寒着や防水トレッキングシューズを揃えて、一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
住所:奈良県吉野郡東吉野村大字平野
アクセス:(行き)榛原駅南口から高見登山口まで霧氷バスで1時間、(帰り)たかすみ温泉から榛原駅南口まで霧氷バスで1時間、高見山登山口→山頂→たかすみ温泉まで5〜6時間。
※霧氷バスの詳細は関連MEMOをご参照ください。
※備考
・アイゼンは必須装備です。また冬山の稜線は風が一段と寒いため、防寒着には余裕を持っておくと良いでしょう。
・スニーカーでは冬山は登れません。防水性能をもったトレッキングシューズを持参しましょう。
・12月中旬以降、急激に冷えた翌日に、登山を行うと樹氷が見れる確率が上がります。
2019年12月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2024/5/4更新)
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