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インタビュー―ベルギー・フランダース政府観光局東京支局長 須藤美昭子氏

  • 2008年1月30日
ベルギー・フランダース政府観光局東京支局長の須藤美昭子氏

「フランダース」地方のイメージ確立へ、定番商品の新切り口のアイディアも



 フランダース政府観光局は、当面は「フランダース地方」のブランド確立と認知度向上をめざす。現状としては、従来のベルギーの主要デスティネーションである「ブリュッセルとアントワープ、ゲント、ブリュージュ、メッヘレン、ルーヴェンの主要6都市は認知されているが、各都市名と『フランダース地方』がリンクしていない」と課題を示す。また、「フランダースだけプロモーションするのは無理がある」と語った上で、「『まずはベルギーへ、そしてフランダースへ』という、ベルギー観光局の方向性を引き継ぐ。その上で公式サイトの新設など、自らのアイデンティティを確立し、よりフランダース地方に特化した情報を提供していきたい」とした。

 そのためには、FAMツアーやセミナーを開催するほか、プレスタイアップなどでメディア露出も増加する。その結果として、「業界が新しい商品を造成し、メディアがファンをつくって商品が売れる。その後は、ファンに対して新しい商品と情報を提供してリピーター化、というサイクルができれば」と期待を示す。旅行業界に対しては、セミナーなどのほか、「フランダース・カフェ」と題して、年間5回から6回程度、旅行会社のスタッフに対して勉強と交流の機会を提供する予定。第1回は2月15日に、文化学園服飾博物館で開催される展覧会、「オペラ座の夜 アントワープ・ダイヤモンドジュエリー HRD賞コレクションとイブニング・ドレス」に合わせて開催する。


▽6都市全てに注力−「定番商品を地方で提案」など新たな切り口も

 プロモーションは、「6都市を強化デスティネーションとして前面に打ち出し、各都市を起点とした周辺観光も提案、宿泊を増加したい」方針だ。6都市のうち、メッヘレンとルーヴェンは日本での認知度が低いため、2008年に特にアピールしたい考えで、パッケージへの組み込みを訴えていく。定番コースでは、チューリップに焦点を当てた春のオランダとの組み合わせがやや減少傾向にあるものの、地方マーケットに対して改めて提案して新たな旅行需要につなげるなど、旅行会社とともに戦略を練り上げる方針だ。

 また、「文化や芸術だけでなく、街歩きや自然、グルメなども重要。シニア層だけでなく若年層も取り込み、若返りを図りたい」とも語る。街歩きについては、「パリなどとはまた違ったお洒落さがある」とし、「ツアーパンフレットでは伝わりにくい点で、メディアを活用する必要がある」と言及。鉄道や宿泊施設が充実し、英語も通じるなど、FITに適したデスティネーションとしてもアピールしていく考えだ。


>>インタビュー―ワロン・ブリュッセル観光促進局日本支局長 ダミアン・ドーム氏