東京から車で約40分...戸建てが3000万円台!移住急増の街が劇的変化:ガイアの夜明け

10月21日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「郊外が激変!シン・ロードサイド物語」。
新型コロナの影響による外出自粛やテレワークの普及により、都心から郊外へ人の流れが変わった。子育て世代が急増し、大規模な開発が進む千葉・木更津市や、かつて激安ステーキの店で、外食業界を席巻した「ロードサイドのハイエナ」のその後を取材する。

移住者が急増 注目の国道16号線エリア


コロナで変わった人の流れ。その象徴が、「国道16号線」。都心から約30キロの郊外をぐるりとまわる約350キロの環状道路だ。

その国道16号線が通り、東京湾アクアラインで東京からのアクセスも良い千葉・木更津市。三井アウトレットパーク木更津は最大の人気スポットだが、去年10月には、ドイツの高級車メーカー「ポルシェ」が、試乗できる専用コースを開設。

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会員制スーパー「コストコ」は、今年8月、本社を移転するなど、企業が木更津にぞくぞく進出しているのだ。
木更津に移り住む人も増加。人気の一戸建ては3000万円台からで、真新しい住宅が次々と建てられている。

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しかし、アウトレットがあるエリアから車で20分ほど離れた木更津駅周辺に行くと、風景が一変。目の前の商店街はアーケードが抜け落ち、シャッター通りになっていた。

この寂れた木更津駅周辺を、もう一度人でにぎわう場所に変えたいと奮闘するのが、青木一さん(48歳)。「百貨店があったり映画館もあったり、ボーリング場があったりと、すごく憧れていた街だったので」

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木更津出身の青木さん、街に活気を取り戻すため、今年3月、木更津市が公募で選ばれた大和リースと組んで整備した鳥居崎海浜公園で、全6室の小さなホテル「鳥居崎倶楽部」の運営を始めていた。

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全室オーシャンビューで、一番のこだわりは、東京の有名店で修⾏した職⼈が、房総の選りすぐりのネタを握る寿司店。コンセプトは「泊まれる寿司屋」で、宿泊客は寿司を存分に堪能できるホテルだ。1泊2食付き、1人4万4000円〜で、週末は東京方面からの予約で一杯だという。

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ホテルは好調なスタートを切ったが、今後は商店街全体を盛り上げていきたいと、青木さんはあるイベントの実現に向け動き出した。
その名は「木更津みなと口海鮮フェス」。商店街の店がそれぞれ海鮮丼を作り、「海鮮の街」木更津の魅力をアピールするイベントだ。

青木さんは、商店街の料亭や居酒屋などに海鮮フェスへの参加を呼び掛け、7つの店の参加が決まった。各店舗でオリジナルの海鮮丼の開発が始まった......

こうして迎えた10月10日、海鮮フェス当日。果たして客はやってくるのか?

"ロードサイドのハイエナ"と呼ばれた男は今


国道16号線を歩く井戸実さん(44歳)は、2006年に「ステーキハンバーグ&サラダバーけん」を創業。外食業界を席巻した人物だ。

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「ステーキけん」は、150グラムのアメリカ産ステーキをメインに、サラダバーとライス、スープ、デザート、カレーの食べ放題まで付いて、値段は1050円(2011年当時)という破格の安さが売りだった。

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それを可能にしたのが 「居抜き」と呼ばれる手法。大手ファミレスチェーンの空き店舗を狙い、改装コストを最小限に抑えることに成功した。

「ステーキけん」は、16号線エリアの1号店を皮切りに、6年で238店舗まで急拡大。
空き店舗を狙う井戸さんは、屍肉を食らうハイエナに例えられ、"ロードサイドのハイエナ"と呼ばれた。

ところが、大手ファミレスチェーンによるステーキ店の出店攻勢で状況が一変。
2年前、井戸さんの会社は経営破綻し、井戸さん自身も自己破産に追い込まれた。

「リアルに勝てない。向こうの店はきれいで、僕らの値段より10円ずつ安い。商品のクオリティーもスケールが違う。調達力が」

そんな中、今年8月、大きなニュースが飛び込んできた。「すかいらーくグループ」が、ロードサイドを中心に約100店を閉店すると発表したのだ。
井戸さんは、再びロードサイドへ。「ステーキけん」時代の反省から、郊外のロードサイドで勝つには、大手が真似できない専門性が必要だと痛感していた。そこで目をつけたのが、野菜炒めに特化した店「ベジ郎」だった。

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去年12月にオープンした「ベジ郎」は、野菜炒めの専門店。鶏の唐揚げと背脂がたっぷりの定食は、ライスとスープが付いて880円で、「野菜マシマシ」「背脂多め」など、味のカスタマイズもできる。井戸さん、野菜炒めに特化したこの「ベジ郎」をロードサイドにフランチャイズ展開したいと考えた。

井戸さんは、FC展開の交渉のため、「ベジ郎」を創業した青果卸フードサプライの竹川敦史社長を訪ねた。
「ベジ郎」は、コロナ禍で休業する飲食店が増え、「行き場を失った野菜をなんとか食べてもらいたい」、という竹川社長の農家への思いから誕生した業態だ。
井戸さんが「そのストーリーがいい。駅前じゃなく、ロードサイドで攻めたいと思っている」と切り出すと、竹川社長は「まだ1、2店舗しかないので、ロードサイドは怖いという印象しかない」と慎重だ。
果たして、すべてを失ったハイエナは、再びロードサイドで復活できるのか?

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