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ブリトニー・スピアーズ、マドンナが混乱していた自分に手本を示してくれた

2003年のMTVビデオ・ミュージック・アワードマドンナとキスを披露したブリトニー・スピアーズ。マドンナの振る舞いは、ブリトニーに大きな影響を与えたそうだ。
Photo: Frank Micelotta/Getty Images

回顧録『The Woman in Me(原題)』を出版し、自らの視点でキャリアや家族との関係、かつてのロマンスについて明かしたブリトニー・スピアーズ。本書の中で、今も伝説として語り継がれる2003年のMTVビデオ・ミュージック・アワードのステージで披露したマドンナとのキスや、彼女に受けた影響についても記している。

2人は、クリスティーナ・アギレラとともにマドンナの楽曲「Like A Virgin」と「Hollywood」をパフォーマンス。タキシード風の黒い衣装を纏ったマドンナが、ウエディングドレスを思わせる白いミニドレスを着たブリトニーとクリスティーナに、相次いで口づけをした。このステージについて、ブリトニーは自身でも「カルチャーに莫大な影響を与えた瞬間」と綴っているが、メディアでもセンセーショナルに切り取られた。

「リハーサルでは毎回エアキスをしていた」と記すが、彼女は舞台に上がる直前になって2000年の同アワードで披露したメドレーを回想し、もっと過激なことがしたいと思いついたそうだ。「キスで、あの時のような瞬間を今年も実現したい。思い切ってするべき?と自問自答しました」。果たして音楽史に残るアイコニックなステージの一つとなったが、彼女自身の心にも刻まれているようで、昨年6月にサム・アスガリと結婚式を挙げた際は、マドンナとこのキスを再現し、その様子をインスタグラムで公開していた。

Photo: Kevin Kane/WireImage

またブリトニーは、のちに「Me Against The Music」でマドンナとコラボレーションしたが、ミュージックビデオの撮影中に彼女から大きな学びを得たと振り返る。「撮影中、マドンナが自分のビジョンに対し、一切妥協を許さない姿に感銘を受けました」。あるとき、マドンナは自分の衣装に完璧を期すため、毅然とした態度で撮影の延長を申し出たそうだ。「数日間、マドンナの考えに寄り添い、彼女の時間に合わせました。彼女とコラボレートするというのは、そういうことでした。私にとっては、その後に影響する大切な学びとなりました。マドンナは主張したからこそ、パワーを得たのです」

ブリトニー自身は、周囲に対し従順な母リン・スピアーズの影響で、いつも他人を喜ばすことに一生懸命だったそうだ。「今、過去に戻れるなら、自分で自分の親になりたい。自分のパートナーに、自分の代弁者になりたい。マドンナから学んだことです」「マドンナの自信みなぎる姿は、自分の置かれた状況を新しい視点で見つめなおすきっかけになりました。彼女は、私が置かれていた状況を察していたのではないかと思います」。そしてこう綴る。「当時の私は人生に混乱して、道標が必要だった。彼女は私のメンターになってくれようとしたのです」

Text: Tae Terai