BEAUTY / WELLNESS

栄養価トップクラス! “世界最強”の野菜、クレソンのうれしい健康効果とは

ヘルシーな食べ物といえばフルーツと野菜。しかし、それぞれ含んでいる栄養素も期待できる健康効果もさまざま。そんな数ある食材の中から、アメリカの研究が栄養価1位に選んだ野菜がクレソン 。ドイツ版『VOGUE』がそのメリットをまとめた。

一番栄養が詰まっているのは、意外なあの野菜

Photo: Claudia Totir/Getty Images

世界で一番ヘルシーな野菜と果物とは?アメリカ・ニュージャージー州のウィリアム・パターソン大学の研究者たちが、その答えを求めて41種類のフルーツと野菜を調査した。結果は、スーパーフードとしても知られているゴジベリーやアサイーでも、ビタミンC豊富で身近なオレンジでもない意外な野菜だった。「世界で最も栄養素密度が高い」と称されたその優秀な野菜は、実は家に庭がなくても手軽に栽培できるクレソンだ。

研究者たちが調査したのは各食品の栄養素密度(食品の一定のエネルギーあたりに含まれる栄養素の量)。合計スコア100点を獲得したクレソンは、白菜(91.99点)、スイスチャード(89.27点)、ビーツ(87.08点)、そしてほうれん草(86.43点)を抑えて1位に輝いた。

究極のヘルシー食材と呼ばれる理由

クレソン(ウォータークレス)には、多くのビタミンやミネラル、植物二次代謝物質が含まれている。免疫力アップに役立つビタミンCの含有量が高いだけでなく、以下の栄養素も豊富だ。

  • 骨と筋肉の生成や働きの維持に欠かせない、鉄分、カルシウム、カリウム、マグネシウム。
  • 脳細胞の損傷を防ぐとされている、ビタミンK。
  • フリーラジカル(活性酸素)によるDNAの損傷を防ぎ、がんのリスクも軽減する可能性があると言われている、抗酸化物質。
  • 咳止めや消化促進効果が期待される辛味成分のカラシ油配糖体。

また、研究者たちによると、クレソンにはデトックス作用と血液浄化作用もあるのだそう。

クレソンとガーデンクレスの違い

Photo: Stephen Pennells/Getty Images

クレソンとよく似た野菜にガーデンクレスがあるが、このふたつは別物。高さは15センチまで、葉っぱは直径3センチまで成長するクレソンに比べて、ガーデンクレスは茎が短く、葉も小さいため見た目だけでも見分けがつく。また、ガーデンクレスは大根のような味わいに対し、クレソンはカラシ油配糖体を含んでいるため少しマスタードのような味がする。

さらに、クレソンは湿気を好み、野生のものは主に川沿いに生育する。しかし、植木鉢で種から育てることもできる。一番重要なポイントは土を常に湿らせておき、できれば半日陰のような場所に置くこと。そうすれば、家の狭いベランダでもクレソンを育てられる。

栄養たっぷり。でも食べ過ぎには要注意

ビタミンCが豊富なクレソンだが、1日に必要なビタミンCをカバーするには大きなボウル何倍分かの量を食べなければならない。また、クレソンに含まれている辛味成分のカラシ油配糖体は、摂り過ぎると、膀胱や腎臓、そして胃の炎症を引き起こす可能性があるため、食べ過ぎには注意。副菜、あるいはパンサラダのトッピングとして少量ずつ楽しむのが、美味しくヘルシーに食生活に取り入れるコツだ。

Text: Philipp Wehsack Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.DE