【漫画】シンプルだから奥深い4コマ漫画。Twitterで人気の4コマ作家が語る4コマの“ゲーム性”とは?

東京ウォーカー(全国版)

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少ないコマ数で展開される起承転結や、簡潔だからこその冴えたアイデアが魅力の4コマ漫画。新聞4コマや広告4コマなどで用いられることもあり、身近さや親しみやすさから一度は描いたことがあるという人も多いのではないだろうか。SNSの普及で誰でも作品が気軽に公開できるようになった今、ネット上でも数多くの4コマ漫画が投稿されている。

Twitterで人気の4コマ作家が語る4コマの“ゲーム性”とは画像提供:留々家(@ruru_ie)


「よわよわ絵師」という軽い言葉から長大な言葉遊びが始まる4コマが6.7万いいねされるなど、作品がたびたび話題を呼ぶ留々家( @ruru_ie )さんも、Twitterで人気の4コマ作家の1人。4コマ漫画を極めることを標榜し、自作の投稿とともに、1時間4コマ会や品評会といった創作活動を行っている。誰にでも作れそうで、けれども奥の深い4コマ漫画。今回は留々家さんに、4コマ漫画の魅力やアイデアの生み出し方について話を聞いた。

【漫画】留々家さんの4コマ漫画を読む画像提供:留々家(@ruru_ie)

4コマ「求人」(2)画像提供:留々家(@ruru_ie)

4コマ「求人」(3)画像提供:留々家(@ruru_ie)

4コマ「求人」(4)画像提供:留々家(@ruru_ie)


「自分でも描けそう」からはじめた4コマ漫画、魅力は効率よく伝える“ゲーム性”

――4コマ漫画を描き始めたきっかけを教えてください。

「4コマ漫画を描いてネットにアップするようになったのは、10年ちょっと前くらいからです。その頃、ニコニコ動画やpixivで東方projectの二次創作を見るのにはまっていて、自分でも何かやってみたいという気持ちがありました。そうした時に4コマ漫画、特にシュール系の、テキトーに描かれたようなものはハタから見て、自分でも描けそうだと思ったので、描き始めたという次第です」

――「4コマ漫画を極めるべく研鑽」と発言されていますが、4コマという形式を選んだ理由はなんでしょうか。

「飽き性なので、長い漫画を描けないというのが第一にあります。加えて完璧性なので、漫画を描くなら完璧なストーリーを描きたいという欲がある。長い話を描くと必ず辻褄の合わないところが出てきて、そこがどうしても気になり、一本描き上げることができない。そういう点からいうと、ごく短い4コマ漫画においては、物語の辻褄を完璧に制御しうるので、自分に合っています。また、4コマ漫画はコマ割りを考えなくて良いというのも大きいです」

――1時間4コマ会という活動をされていると伺いましたが、どういった内容なのでしょうか。

「読んで字のごとくです。毎週土曜日の21時にTwitterでお題が発表されて、そこから着想した4コマを22時を目標にアップロードする。「ワンドロ」(※1時間で作品で作り発表するSNS文化)の一種です。私はネタを思いつくのに30分くらいかかるのと、画を描くのが遅いのとで、たいがい10分、20分オーバーして投稿しています。

これに参加したら、人に見てもらいやすいということは特になく、私は単にルーティンとして参加しています。これに参加することを習慣化しているおかげで、どんなに忙しくても最低でも週一本は4コマ漫画をアウトプットできるという利点があります」

――そうして4コマに打ち込む留々家さんから見た、4コマ漫画の魅力はどんなところにあるのですか?

「自分が面白いと思うアイデアを、いかに効率よく読み手に伝えることができるか。その最適解を目指すゲーム性が4コマ漫画の魅力であると思っています」

尽きぬアイデアの発想元は「お約束からのスタート」

――これまでの作品の中での自信作や、特に反響が大きかったものがあれば教えてください。

「反響が大きかったのは、直近でバズった「よわよわ絵師」の4コマです。当時、Twitterのイラストを描く人々の間で、『よわよわ絵師』を自称するのがトレンドとなっていたので、それを題材にしてネタを考えました。人をバカにしたようなネタだったので、自分では『感じの悪い漫画だな、こんなのが伸びたら荒れるんじゃないか』と思っていましたが、そうでもありませんでした」

4コマ「よわよわ絵師」(1)画像提供:留々家(@ruru_ie)

4コマ「よわよわ絵師」(2)画像提供:留々家(@ruru_ie)

4コマ「よわよわ絵師」(3)画像提供:留々家(@ruru_ie)

4コマ「よわよわ絵師」(4)画像提供:留々家(@ruru_ie)



――くすっと笑えるネタからブラックなオチまで作風が幅広いですよね。こうした4コマのネタはどのように発想されているのでしょうか。

「『お約束』を見つけて、そこから発想するようにしています。例えば『財布』という単語から考えるよりも『財布を拾ったら天使と悪魔が現れる』というお約束から考える方が、ネタを考えやすくなります。どんな4コマ漫画も多かれ少なかれ、お約束によって成り立っているものなので、結果的には、誰しもがネタ作りのときにはやっていることです。しかし、お約束からスタートすることを意識することで、ネタ作りはかなりラクになると考えています」

――今後、創作活動においてやりたいことや目標を教えてください。

「やろうと思ってからだいぶん時間が経ってしまっているのですが、4コマ漫画の研究というか論文めいたものを書いてみたいと思っています。

例えば“オチ”とか“起承転結”という言葉は、4コマ漫画を語る上では欠かせない言葉ですが、本職の漫画の研究者の方でも用語の定義があいまいなまま、用いています。これに関して、本来の語義や、それが実際に4コマ漫画を語る上ではどのような意味で使われているのか。そういうことをやりたいと思っています。資料なども集めているのですが、前述のように自分は飽き性なもので、まったく捗っておりません」


普段4コマ漫画を何気なく読んでいる人も、構造の分析やアイデア術の積み重ねで生み出されていることを知れば見方もまた変わってくるはず。一度読んだ作品でも、じっくりと読むことで新たな発見や楽しみ方があるかもしれない。

取材協力:留々家(@ruru_ie)

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