フクちゃんは、漫画家・横山隆一(1909−2001)がかつて朝日新聞、毎日新聞等に連載した4コマ漫画「フクちゃん」の主人公の男の子です。
1936年1月、横山は東京朝日新聞(東京版)にて「江戸ッ子健ちゃん」の連載を始めますが、この漫画に脇役として登場したのがフクちゃんでした。フクちゃんは、おとなしくて生真面目な健ちゃんとは対照的な、その天真爛漫な姿が人気を呼び、同年10月、「養子のフクちゃん」として様変わりし、主人公となります。
フクちゃんのトレードマークは大きな学帽です。これは、「江戸ッ子健ちゃん」に登場するチカスケ(大学受験のために健ちゃんのおうちに居候)が大学受験に失敗し、不要となった帽子をフクちゃんが譲り受けたものです。以来、フクちゃんはこの学帽を被って物語に登場します。
早稲田大学とフクちゃんのゆかりは、この学帽が早稲田大学の角帽に似ていたことから始まりました。
早慶戦の応援席にそびえ立つ「デコレーション」と呼ばれる大きな絵看板は、1950年に初めて登場しました。早稲田大学応援部がサークル「舞台美術研究会」に依頼して制作されたものです。それ以降、早稲田大学のマスコットとして君臨したフクちゃんは、早慶戦にしばしば登場し、試合を盛り上げました。
作者の横山隆一からはフクちゃんの使用について、「早稲田の杜だけは著作権なしの治外法権」と直々にその使用が認められました。そのため早慶戦以外でも大学が発行する刊行物や早稲田周辺の街中でそこかしこに登場し、長きにわたり学生や住民に親しまれてきました。
この展覧会では、早慶戦の応援に欠かせなかった「フクちゃん」の八面六臂な活躍ぶりを関連資料や写真を交えてご紹介いたします。
長年にわたり、早稲田大学でのフクちゃんの使用を快く認めくださった、横山隆一先生に心から感謝申し上げます。
会期
2023年7月21日(金)~10月1日(日)10:00~17:00
休館日:毎週水曜日、8月10日(木)~20日(日)、26日(土)~27日(日)、9月1日(金)~15日(金)、17日(日)~18日(月)
※ご来館の際は歴史館WEBサイトで開館に関する最新情報をご確認ください
会場・アクセス
早稲田大学歴史館 企画展示室(1号館1階)
〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1 早稲田大学 早稲田キャンパス1号館1階
東京メトロ東西線「早稲田」駅 2・3A・3B 出口から徒歩5分
都電荒川線「早稲田」駅から徒歩5分
JR山手線・西武新宿線「高田馬場」駅(早稲田口)から都営バス「早大正門」行 終点下車徒歩1分
料金
無料(予約不要)
主催
早稲田大学歴史館
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