山口県:秋吉台の鍾乳洞群[秋芳洞,中尾洞,大正洞,景清洞]
  (日本の地質百選:秋吉台・秋芳洞)
地形の特徴

鍾乳洞,カルスト地形,石灰岩台地,ドリーネ

地形と地質の三次元イメージ : 秋吉台(秋芳洞,中尾洞,大正洞,景清洞
‼マウスオーバー‼  地図上にマウスを乗せてください。産総研・地質調査総合センターの「1/20万 シームレス地質図(出典,下記)」を表示します。

「秋吉台(あきよしだい)」は,日本で一番面積が広い「カルスト台地」です。
古生代石炭紀~ペルム紀(約3.5億年前~約2.5億年前)に大洋の海底で堆積した石灰岩が,ペルム紀に付加体となってこの地にたどり着いた岩石です。
大地の上には,大小の「ドリーネ」が群がっていて,そのうちのいくつかはほぼ揃って直線状に並ぶ(リニアメント),といった特徴があります。
地形の三次元イメージ:秋芳洞

天然記念物「秋芳洞」の周辺には,おおよそ南西―北東方向の「リニアメント(線状模様)」が存在します。
複数の「ドリーネ」がほぼ一直線に並んでいるために,リニアメントとして判別できるのですが,その下に「鍾乳洞」が存在するか,まではわかりません。
地形の三次元イメージ:中尾洞

天然記念物「中尾洞」の入り口は,「中尾台」と呼ばれている「ビュート」の頂上付近に開いた「竪穴」です。
一般公開はされていないので,見学には美祢市教育委員会の許可が必要です。
地形の三次元イメージ:大正洞

天然記念物「大正洞」は,観光洞として公開されています。 古くは「牛隠しの洞」と呼ばれ,戦争などでは,農民が牛を隠した,と言われています。
内部は5層となっていますが,特筆すべきは三角田川が洞内に流れ込んでいることです。
秋吉台の2大水系の一つ「大正洞水系」と呼ばれています。 詳しくはここへどうぞ
地形の三次元イメージ:景清洞

天然記念物「景清洞(かげきよどう),別名景清穴」は,観光洞として公開されています。
図の上部にある「ポノール」で「三角田川」が地下に流入し「景清洞」から流出しますが,やがて「大正洞」に再度流入します。
【現場写真】 秋吉台

画像出典: (一社)美祢市観光協会 > 特別天然記念物 秋吉台
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【記事,引用情報と参考情報】

【記事】

  • カルスト地形: 石灰岩の溶食が進んでいる地形を指します。以下のような地形が随所にみられるのが普通です。
    ① 鍾乳洞: 石灰岩の溶食によって生じた石灰洞(洞窟:洞穴)のうち,鍾乳石が発達しているものを指します。
    ② ドリーネ: 円形又は楕円形のカルスト凹地のことで,和名ではすり鉢穴とも言います。
    ③ ウバーレ: ドリーネが連結,あるいは集合している凹地のことです。
    ④ ポリエ: カルスト凹地のうち,底面と側壁との間に明瞭な傾斜変換のあるものを指します。

【引用情報】

【参考情報】

【お断り】

  • 本ページは,旧GUPIのウェブサイト「地質情報ポータルサイト」で公開されていた「日本の地質百選:秋吉台・秋芳洞」と「日本の地質案内:秋吉台の鍾乳洞群」を統合したものです。
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