創作説への反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/20 02:15 UTC 版)
「なんちゃっておじさん」の記事における「創作説への反論」の解説
この小森の公表に対して、前述の『オールナイトニッポン』の元ディレクター・宮本幸一は、目撃談の投書内容について信憑性の高いものもあると見て、なんちゃっておじさんの実在を信じ、小森の公表を一切無視して目撃談の受付を続行する姿勢をとった。パーソナリティである笑福亭鶴光とタモリもまた、小森の公表に否定的であった。ラジオ番組のリスナーたちからも、「人々の夢を壊す」との否定的な投書が殺到しており、「実在を信じる人々のロマンを台無しにする行為」との声もあった。その後も小森の公表に対しては反論が多く、小森の売名行為として否定する関係者も多い。 また実在の人物として、東京都大田区に在住していた元ラーメン店経営者の男性が、なんちゃっておじさん本人を自称している。かつて電車内で社会への不満を独り言で漏らし、周囲への照れ隠しでおどけて「なーんちゃって」と言ったことが乗客たちに受け、快感を感じてその行為を繰り返していたという。小森の説に立腹したこの男性はラジオ局に名乗り出、山手線で公開実演まで披露し、一時は報道陣が殺到するほどの人気者となった。結局真相は明らかにならないままブームの終焉に至っているが、この男性はその10数年後の平成期においても「元祖なんちゃっておじさん」を自称していた(1995年〈平成7年〉時点)。 2006年(平成18年)放映のテレビ番組『伊東家の食卓』(日本テレビ)では前述のかぜ耕士が、『たむたむたいむ』の目撃談の最初の投書者が小森と無関係であること、その投書の内容が小森の公表内容と異なることを確認し、なんちゃっておじさんは架空の存在ではないと証言している。また、この最初の投稿者は、それ以前から投稿の常連であった熱心なリスナーのため、小森の創作であるわけがないとの意見もある。 しかし、その後に刊行された昭和史関連の文献でも、なんちゃっておじさんの正体をこの小森の創作としていることが多い。このように一連の「なんちゃっておじさん」の話題が小森の創作として片づけられてしまった背景には、検証性が希薄であるために様々な言説がマスメディアに乗って独り歩きしてしまう1970年代当時の風潮があるとの見方もある。 2020年(令和2年)には、『たむたむたいむ』のリスナーからの投書が初めて紹介された当時の音源が、ニッポン放送のアーカイブに残されていることが判明し、同2020年10月1日、『上柳昌彦 あさぼらけ』の番組内で、同年に死去したかぜ耕士を偲んで紹介された。
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