口が乾いて夜中に目が覚めることは珍しくないけれど、それが毎日の人もいる。

慢性的なドライマウスは、かなり不快なだけでなく基礎疾患の存在を示していることもある。米メイヨークリニックによれば、日中や夜間のドライマウスを放置すると、虫歯、歯周病、口腔カンジダ症といった問題が生じることもあるそう。

夜間に口が乾く理由

夜間に口が乾く人は、病院で口腔ケアの習慣をチェックしてもらおう。高い確率で、見直す点があるはずだ。

唾液が不足して、口の中がカラカラに干上がってしまう理由はほかにもある。歯科医のマット・メッシナによると、中でもとくに多いのは日中に飲む水の量が少ないこと。

メッシナ医師いわく、喫煙、加齢、一部の処方薬もドライマウスの原因になる。ドライマウスを引き起こす薬は600種類以上あり、その中には高血圧、うつ病、膀胱調節障害の治療薬も含まれる。

また、エイズや糖尿病といった基礎疾患が唾液の分泌を阻害していることもある。

口呼吸の人にとって、夜間のドライマウスはとくに厄介。寝ている間に口で息をしてしまう人は大抵、副鼻腔や鼻中隔の問題、呼吸器感染症、睡眠時無呼吸症候群を抱えているのだとか。

ドライマウスの症状

口の中に綿が入っているような感じがするのは、ドライマウスの典型的な症状。でも、米国立衛生研究所によると、ドライマウスでは以下の症状が現れることもある。

・口の中がネバネバする

・うまく噛めない/飲み込めない/話せない

・口の中がヒリヒリする

・唇が乾いて割れる

・息が臭くなる

ドライマウスの治療法

ほかの疾患と同様、ドライマウスの適切な治療法も原因によって異なる。例えば、処方薬を飲みだしてから唾液の分泌量が減ったなら、医師に相談したうえで用量を調節したほうがいい。ドライマウスの原因が睡眠時無呼吸症候群にあるのなら、その疾患を治療するべき。

メッシナ医師によると、まず最初にするべきことは水分の摂取量を増やすこと。お酒を飲む人はとくに口が乾きやすい。

ノンシュガーのガムを噛んだり、タバコ、アルコール、カフェインを控えたりするのも効果的。また、加湿器で寝室の湿度を上げれば、口が乾きにくくなる。

そして、米国口腔内科学会の話では、寝る前にノンアルコールのマウスウォッシュを使うと、口の中が落ち着いて、歯の再石灰化が促進される。

米ワシントン大学歯学部の元臨床助教授で歯科医のジェフ・バージェスによれば、それでもダメなら歯科医に相談して、適切な市販薬や処方薬(人工唾液など)の説明を受けるべき。米口腔内科学会によると、ドライマウスの治療にはピロカルピンやセビメリンといった薬剤が使われることもある。

※この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、アメリカ版『Runners World』から翻訳されました。

Text: Melissa Matthews Translation: Ai Igamoto