あの世でもよろしく…と歌う田原俊彦、還暦過ぎても「ハハハハハハ」と高笑い

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 歌手の田原俊彦が、60歳記念シングルと銘打った「HA―HA―HAPPY」(ユニバーサル)を出した。持ち前の明るさが凝縮された1曲。「みんな、コロナでフラストレーションがたまっている。音楽で少しでも元気、勇気を与えるため、あえて楽しい曲にしました」と語る。(清川仁)

 「行くぜ ふたたびの誕生」「あの世でもよろしく」――。歌詞に並ぶ人生の後半を思わせる言葉、それがパワフルに響くから面白い。還暦も前向きにとらえる田原。還暦を象徴する「赤」は、以前からの自身のイメージカラー。「何の変わりもねえじゃねえか!」と笑い飛ばし、突然、はいている赤いパンツを見せた。「いつも赤、着ているよ。ファンがプレゼントしてくれるから買ったことがないんだよね」

 曲調は「懐かしさもあるし、キラキラした感じで、僕らしさもある」。きらびやかな管弦楽サウンドは、編曲の巨匠、船山基紀による。イントロからいきなり転調し、聴き手を高揚させる。「オケだけを聴くと、すごさがよく分かるよね」と敬意を示す。40年来、田原の楽曲を彩ってきた船山の派手なアレンジは、スター性のある田原だからこそより輝く。「『ハッとして!Good』は、船山さんがやりたいことを全部出せた曲って言ってくれたね」

「65歳まではやるよ。この前、70歳までやるって言っちゃったけど、今日ちょっと腰が痛いから自信なくしちゃった」
「65歳まではやるよ。この前、70歳までやるって言っちゃったけど、今日ちょっと腰が痛いから自信なくしちゃった」

 1980年にデビュー。「巡り合った作家陣が、時代時代の田原俊彦を感じとって成長させてくれた。阿久(悠)先生もそう、(筒美)京平先生もそう」と、作詞作曲家の名を次々に挙げる。大人路線にシフトしたアルバムという「目で殺す」(86年)は、阿久と宇崎竜童のコンビが手がけた。「ごめんよ 涙」を作った松井五郎、都志見隆のコンビとは年が近く、節目節目で力をもらっている。「It’s BAD」を作曲した久保田利伸の名も出し、「僕で遊んでくれたね」と振り返る。

 新曲の作詞家、岩里祐穂については、「去年のツアーを見て、僕とファンの関係性を 俯瞰ふかん して書いてくれた」と喜ぶ。「言わせて 誇らしく そう 君がいるだけで最高」というファンへ向けた一節がお気に入り。「子育てを終えて戻ってくるファンもいる頃かな」と、期待する。歌の最後には「ハハハハハハ」と高笑い。40年前の曲「ブギ浮ぎI LOVE YOU」でもやったことで、「まさか、また笑うとはね」と言いつつ楽しそう。随所に遊び心が光り、聴き手を青春時代に連れ戻す1曲だ。

スクラップは会員限定です

使い方
「エンタメ・文化」の最新記事一覧
記事に関する報告
2182545 0 音楽 2021/07/06 10:22:00 2021/07/06 10:22:00 2021/07/06 10:22:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210702-OYT1I50103-T.jpg?type=thumbnail

主要ニュース

セレクション

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)