幸せ呼ぶ跳人の鈴
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青森ねぶた祭では、勇壮な大型ねぶたが主役とされるが、音も祭を盛り上げる重要な役者の一人だ。
跳人がねぶたの周りを跳ねるたび、「シャンシャン」と軽快な音が響きわたる。地元の人々や観光客の間では、跳人の鈴は幸せを呼ぶといわれ、30年ほど前から跳人用の鈴を販売する「神山」(青森市)の神山博年社長(50)は「私も子どもの頃、祖父母や親に聞いた」と説明する。
市が2000年に発行した「青森ねぶた誌」によると、「浴衣に鈴をつけるのは戦後になってから」という。そんな縁起のよい鈴だが、むやみに拾いに行くのはご法度だ。祭の実行委員会メンバーである青森観光コンベンション協会(青森市)の担当者は「運行コースに入ると、ねぶたや跳人にぶつかる可能性があり、とても危険」と警告する。
新型コロナウイルスの感染防止の面も含め、観客同士や跳ねている際の跳人、ねぶたと一定の距離を取りながら、安全に祭を楽しみたい。(八巻朱音)