「群生している」と通報、食べて死亡例もある猛毒キノコの目撃情報が相次ぐ

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都留市で見つかったカエンタケ(同市提供)
都留市で見つかったカエンタケ(同市提供)

 猛毒キノコ「カエンタケ」が、山梨県内で相次いで見つかっている。従来はほとんど人目に触れることはなかったが、ナラやシイなどが枯死する「ナラ枯れ」の広がりとともに自生の範囲も拡大。秋のキノコ狩りシーズンも本格化しており、自治体や専門家は注意を呼びかけている。

 「カエンタケと思われるキノコが生えている」

 先月16日、都留市の住民から通報が寄せられた。市が確認したところ、枯れたミズナラの根元で高さ10センチ弱のカエンタケが数か所に自生していた。民有地で人通りはない場所だが、所有者が柵で囲って対策を施したという。

 身延町でも先月4日、登山客から「カエンタケが群生している」との通報を受け、町内での自生を確認した。町は登山道の入り口などに注意喚起のチラシを掲示し、町民や登山客らに周知している。富士吉田市や山中湖村でも目撃情報が寄せられている。

食べて死亡例も カエンタケは、夏から秋にかけて発生する赤やオレンジ色のキノコで、人の手指やトサカのような形をしている。食べると、下痢や 嘔吐おうと 、消化器不全や脳神経障害などを引き起こす。1999年に新潟県で食べた人が死亡した例もある。

 県森林総合研究所(富士川町)では、各自治体から対処法について相談があった場合には、触ると皮膚がかぶれることもあるため、自生場所が人通りのない所であれば放置を推奨。処理する場合は、▽手袋などを装備して回収し、可燃ごみとして捨てる▽深い穴を掘って埋める――ことを勧めている。

 キノコ類の生態に詳しい千葉県立中央博物館の吹春俊光上席研究員によると、もともとカエンタケは原生林のような自然の林に発生する珍しいものだったが、近年のナラ枯れの広がりとともに各地の人里でも発見され始めたという。

 県内では、人気のハナイグチやヤマドリタケモドキなどを目当てにキノコ狩りを楽しむ人も多い。吹春研究員は「カエンタケは人が口にしない限り害はなく、菌の力で森林の分解に役立っている面もある。キノコ狩りの際は、きちんと分かっている人の指導を受けてほしい」と話す。

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3405183 0 社会 2022/10/08 07:56:00 2022/10/08 07:56:00 2022/10/08 07:56:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/10/20221007-OYT1I50218-T.jpg?type=thumbnail

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